2019.05.02資金計画
開業を考える医師の多くが心配するのが「開業のために必要な金額はいくら?」ということです。
「開業にはお金がかかる」のは確かですが、いくらかかるのかはケース・バイ・ケース。
・自己資金でできる開業にするのか?
・融資を受けるのか?
等で資金計画は変わるでしょう。
このページでは、
・開業資金はいくら位かかるか?
・銀行融資を受ける際に知っておきたいポイント
等について知ることが出来ます。
現時点で手元にまとまった資金がない医師の方にも、きっと役立つ内容です。
開業までに必要な資金を、開業資金と呼びます。
開業資金として必要なものを簡単にまとめたものが以下のリストです。
・土地、建物の建築
・内装工事
・医療機器、ベッド、椅子等の設備
・薬品、ガーゼなどの備品
・白衣や制服
・パンフレットや診察券等の印刷物
・求人広告の出稿
簡単に挙げただけでも、開業準備で必要なものはこれだけあります。
リストを見て、「いったい開業資金はいくら必要なのだろう」と、具体的な金額が気になるかもしれませんが、必要な開業資金はケース・バイ・ケース。
・すでに土地がある場合
・テナントで開業する場合
・医療機器を中古で導入する場合
これらの場合は、すべてを一から揃えるよりも費用は安くなるでしょう。
あらかじめ必要なもの、揃えなければならないものをリストアップした上で「いくらかかるか?」を計算するところから始めます。
銀行から融資を受ければ、その資金で開業をすることもできます。
ただし、すべての人が銀行からの融資を受けられるわけではありません。
特に、すでに借り入れがある方は注意が必要。
銀行からの融資が可能となるのは「充分に返済する能力がある」と、判断された場合です。
銀行が返済能力を審査する際、重視する項目は以下の通りです。
・自宅は持ち家であるか、賃貸か
・医師の経験、実績がどれくらいあるか
・開業予定の診療科の保険点数はどのようになっているか
・医師自身の年齢
これらのうちの、
・開業予定の診療科の保険点数はどのようになっているか
・医師自身の年齢
この2点について、なぜ銀行から重視されるのか?を次の項目で見てみましょう。
例えば、診療科の保険点数は、クリニックの収入に直結する問題です。
もし保険点数が全体的に低いと、収益が見込めないと判断されます。
その場合は、訪問診療、介護診療などを事業に追加して、経営全体を見直すことも必要になります。
医師の年齢は、返済計画にも影響してきます。
40代であれば20年は勤務できるかもしれませんが、60代ではそうはいきません。
当然、返済期間も変わります。
医院開業するなら、若い方が融資を受けられる可能性が高いのです。
開業資金の融資を受ける方法については、
を併せてご覧ください。
開業する診療科によっても、開業資金は全く異なってきます。
内科は、もっとも診療範囲の広い科。
内科のクリニックを開業するときに気を付けたいポイントや、開業資金や診療報酬による収入の目安は、
をご覧ください。
他科と比較して必ずしも診療報酬が高いわけではありません。
整形外科は、設備(医療機器)をどこまでそろえるかによって、初期投資の金額は大きく変わってきます。
☑クリニックを開業 開業資金はどれくらい必要?-整形外科編-
精神科・心療内科は、他の科に比べて準備資金が比較的少ないといわれています。
いったいどうしてでしょうか?
その詳しい理由については、以下の記事にあります。
外科は、どこまで設備をそろえるかによって、大きく変わってきます。
例えば、日帰りで可能な小さな手術を行うかどうか。
行う場合は、小さくても手術室が必要ですし、それなりにモニター類や手術器具なども、そろえておく必要があります。
土地家屋代金 + 什器・備品 + 比較的高額な医療機器 = 6,500~9,000万円
さらに、開業から1年くらいの運転資金を1,000万円と考えると、7,500万円~1億円
装費用 + 什器・備品 + 比較的高額な医療機器 = 3,500~ 6,000万円
さらに、開業から1年くらいの運転資金を1,000万円と考えると、4,500~7,000万円
ただし、最近ではクリニックごとに手術用の設備を備えるのではなく、医療モールのようなところで、手術室を中央化しているところもあります。
その場合は、手術室に関する設備投資は、自院では不要になると考えて良いでしょう。
小児科の場合、子どもたちの目線にたった内装や設備は必要です。
が、高額な医療機器をすぐに必要とする例は少ないと考えられます。
土地家屋代金 + 什器・備品 = 5,500~6,000万円
さらに、開業から1年くらいの運転資金を1,000万円と考えると、6,500~7,000万円
内装費用 + 什器・備品 + X線撮影装置 = 3,500~ 4,000万円
さらに、開業から1年くらいの運転資金を1,000万円と考えると、4,500~5,000万円
眼科の場合、開業当初からさまざまな検査用の医療機器が必要です。
さらに、日帰り手術を行うかどうかによって、開業のための資金が変わってきます。
土地家屋代金 + 什器・備品 = 8,000~9,000万円
さらに、開業から1年くらいの運転資金を1,000万円と考えると、9,000万円~1億円
内装費用 + 什器・備品 + X線撮影装置 = 5,000~ 6,000万円
さらに、開業から1年くらいの運転資金を1,000万円と考えると、6,000~7,000万円
開業エリアによって、開業資金は大きく変化します。
例えば地方都市の場合、すでにその診療科が充足している場合もあるのです。
そうなると、その競合の中で経営していくのは至難の業。
集患対策を工夫するなり、競合との差別化が明らかでなければ融資も難しいでしょう。
反対に競合の少ない地域も、そもそもの需要がなければ集患できません。
例えば都内の銀座エリアであれば、美容外科や美容皮膚科がたくさんあっても経営が成り立ちます。
しかし、地方の過疎地域などでは、需要がないために経営は成り立たないでしょう。
ご自身の居住地から少し離れた遠方の場所であっても、利用する患者さんが多い方が長く続く医院として、地域からも親しまれていくものです。
開業場所選びは、最も慎重に行いましょう。
・開業にいくらかかりそうか?
・どの診療科がどの地域に適しているのか?
これらのお悩みは、実際に医院開業コンサルタントに相談してみるのがおすすめ。
「その診療科なら、◯◯での開業がおすすめです」等のアドバイスがもらえます。
また、開院して従業員を雇用する場合は助成金がもらえます。
しかし全ての医院が助成金を貰えるわけではないので、コンサルタントによる補助金申請のサポートを受けると安心です。
助成金申請のサポートや資金・事業計画等のサポートは、
からご相談ください。
銀行から開業資金の融資を受ける際、「借りたお金を回収できるか」の根拠を出さなければなりません。
融資を受けるには、具体的な数字等を挙げながら、具体的に、理論的に、経営計画や返済計画を説明できることが必須です。
開業コンサルタントなら、
・診療圏調査から市場分析による来院患者数を予測し、それに基づく収入の予測。
・診療所の建築・内装工事、医療機器の購入費用、運転資金などの初期投資額をはじき出し、調達が必要な資金の額を算出。
・人件費、診療材料費、建物、土地の賃料、税金などの支出を勘案しながら、どの程度の収益を見込めるかをシミュレート。
等のプロなので、しっかりとご相談にのることが出来ます。
資金計画は、
にお気軽にご相談ください。