開業ガイド

2017.01.10資金計画

精神科・心療内科クリニックの開業資金はいくら?

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クリニックの開業資金は、標榜する科によって違います。今回は、準備資金が比較的少ないといわれている、精神科・心療内科について考えてみましょう。

精神科・心療内科クリニック 資金の使い道は慎重に

精神科・心療内科のクリニック開業に向けた準備の中で、重要となるポイントは3つあります。「開業場所の選定」と「内装の充実」、そしてもう1つが「集患の方法」です。
【開業場所の選定】
精神科・心療内科に通院する患者さんの多くは「通院していることを周りに知られたくない」と考えています。従って、表通りより1本奥の道に面したテナントビルで、2階以上のフロアをお勧めします。エレベーターでの乗り合いにも留意し、人の出入りが多いビルも避けた方が無難です。医療モールのような、他科の患者さんも一緒に外来で待つような立地もNG。戸建てで駐車場付き…というスタイルもお勧めできません。
また、多くの患者さんは、会社と家との中間地点などの立地を好む傾向があるため、ターミナル駅などから徒歩数分圏内のエリアをお勧めします。
【内装の充実】
落ち着いた雰囲気や色合いの内装で、患者さんが話しやすい雰囲気を持たせることが必要です。
例えば、待合室は落ち着いたトーンでまとめ、他の患者さんとあまり接することが無いよう、診察前にリラックスできる雰囲気を作ります。余裕があれば間仕切りなどを使い、1人ずつのスペースを作ることも効果的です。診察室は広めにし、圧迫感や閉鎖感を無くし、間接照明を使うなどの工夫も必要です。
【集患の方法】
精神科・心療内科の集患方法として、電話帳への広告の掲載が有効であるといわれてきました。最近ではこれに加えて、インターネットでクリニックを探す患者さんも増えています。
ホームページを開設する際は、検索されやすくなるための手法として「SEO対策」も重要なポイントになります。
開業時のスタッフは、人件費に直結
クリニックの開業に向けたスタッフの雇用を行いますが、患者数が軌道に乗るまでの数か月間は、事務員がいれば大丈夫です。「開業時には看護師もいないと」と思われるかもしれませんが、看護師でなければならない業務、例えば採血などの手技は、最初の数か月は「医か月で数人しかない」という状況も、珍しくはありません。
人件費は、そのままクリニックの運転資金に直結しますので、最初から看護師を雇用することは、あまりお勧めできません。それよりも、医師のアシスタント的な役割ができる、優秀な事務員がいれば、開業後の数か月はクリニックを運営することができます。事務員と看護師の人件費を考えれば、どちらがより資金繰りが上手くいくか、ご理解いただけると思います。
開業後の資金繰りは、低め安定を目指す
精神科・心療内科のクリニックはここ数年、全体的な患者数は増加していますが、開業数も伸びているという現実があります。診療報酬も、他科より高いわけではありません。しかし、継続して通院する患者さんが多いため、全体的な収入は低めですが、ある程度軌道に乗れば、安定した経営に結び付けることができます。
厚生労働省が行っている「第20回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」によると、1か月あたりのおおよその収支は以下のようになっています。
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ただし、これらのデータはあくまでも平均であり、開業直後の状況ではありません。また、統計に使われた母数が少ないため、必ずしも全国の平均を示しているとは限らない、ということを考慮してください。
精神科・心療内科の場合、診療報酬が高い検査や治療があるわけではないため、収入は他科よりも断然多い、というほどではありません。一方で、医療材料や薬剤などの支出も少ないため、「低め安定」となります。

いかがでしょうか。
クリニックの開業資金として、精神科・心療内科は、比較的安価に抑えることができます。開業当初は看護師の人件費を抑えるという方法もあります。しかしその一方で、新患の獲得が難しいという側面もありますので、開業時や開業後のプロモーションには、充分な資金を準備しておきましょう。

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