2025年問題が医療業界に与える影響と、クリニックで行うべき対策

2024.07.17トレンド・ニュース

2025年問題が医療業界に与える影響と、クリニックで行うべき対策

2025年を境に日本国内において人口の約20%が75歳以上になります。本格的な超高齢化社会を迎えることで、社会構造や体制に大きな変化が生まれ、特に雇用、医療、福祉等の分野に影響を与えることが予想されます。

クリニックにも多大な影響が及ぶことが懸念されています。今回は2025年問題に伴い起こり得る具体的な事例や、その対策を、わかりやすく解説していきます。

2025年問題が与える社会的影響

社会保障費の負担が増加する

社会保障費とは年金・医療保険・介護保険・生活保護などの社会保障制度に基づき国が支出した費用のことを指します。特に老齢年金や介護保険などの高齢者向けの社会保障費は、支出の占める割合が非常に多くなっていくことが予想されます。

医療・介護の体制維持が困難になる

後期高齢者が増えれば、介護・医療サービスを必要とする人も増加します。これに対応する人材の育成が急務ですが、働き手が不足している今、必要な人数を確保することが困難になっています。

後継者不足による廃業で経済が縮小していく

2025年までに、中小企業・小規模事業者の経営者約245万人が、平均引退年齢である70歳を超えるとされています。そのうち約半数にあたる約127万人の後継者が、未だに決まっていない状態です。これにより廃業に追い込まれる企業が相次ぐと予想されます。中小企業・小規模事業者は国を支える礎ですので、日本経済全体が縮小していくでしょう。

少子高齢化という大きな壁

高齢者が増えると医療現場には患者が増えるでしょう。それに対し、医療従事者が不足することが懸念されています。日本では高齢化と同時に少子化も進行しており、高齢者を支える生産年齢人口の減少の一途をたどっています。

クリニックで行っておくべき対策とは?

若い世代の人材を確保する

慢性的に人材の不足する医療界において、働き手を確保していくことは死活問題に直結します。なかでも若い世代のスタッフを確保し、育てることが必要です。

そのためにまず、職場環境をより良いものにすることで、社員の定着率の向上を図りましょう。福利厚生を手厚くしたり、出産・育児休暇制度の充実を図ったりと、働きやすく休みやすい環境を維持し、若い世代が「働き続けたい職場」を目指しましょう。

シニア層の労働環境を整える

若い世代の人材確保が難しい状況であれば、シニア層の雇用を想定して、業務の簡略化を進めましょう。働き手の負担が大きくならないよう、自動精算機を導入したり、受付のセルフ化を進めたりなど、シンプルで効率的な業務体制をとっていく必要があるでしょう。

まとめ

2025年問題の多大な影響を受けることが想定される医療業界。特に人材の不足は、どのクリニックも直面するであろう深刻な課題です。

現状を見直し、今できる対策をとること。さらに、未来に向けた具体的なビジョンを持つことが必要でしょう。

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