2024.04.30トレンド・ニュース
2021年の10月からスタートしたマイナンバーカードの保険証利用。2024年の秋ごろを目安に、マイナ保険証として一本化へ移行する準備が整ってきています。しかし、マイナ保険証の利用に際しては、これまでに多くの問題が浮上し、報道されているので、利用することに不安を感じている患者は少なくありません。
また、システムの導入や、今後起こり得る問題の対策など、医療機関にとっても新たな負担になり得るでしょう。
今回は、マイナ保険証導入のメリットとデメリットについて考えていきましょう。
・窓口で限度額以上の支払いが不要になる
・医療費控除の確定申告がカンタンになる
・就職・転職・引っ越し後も健康保険証として利用できる
・過去の診療情報データに基づいた診断を受けられる
・医療機関での受付を自動化できる
・高額療養費の手続きが簡単になる
・初診の追加医療費が安くなる
これまで手続きのために出向かなければならなかったことも、マイナ保険証の利用で簡略化することができたり、患者側の自費負担の流れを廃止できたりと、利用者にとっては有益なメリットがあります。
医療費の負担が減ることもメリットです。高齢化社会に向けて進む昨今において、継続的に医療機関に受診する方の負担が減るのは、大きな利点と言えます。
・個人情報漏洩のリスクが高い
・利用できる医療機関が限られている
・マイナンバーカードの有効期限が切れていると、健康保険証として使用できない
・システムの不具合が発生した場合、利用できないことがある
・紛失した場合、再発行に時間がかかる
カードの裏面に記載される12桁のマイナンバーや、ICチップに保存されている電子証明書のデータは、大切な個人情報です。紛失したり、気軽に人に見せてしまったりすると、漏洩した情報を悪用される場合もありますので、マイナンバーカードの扱いには厳重な注意が必要です。
マイナンバーカードが破損していると、情報が読み取れず利用ができないこともあります。独自のシステムで管理をしているため、通信トラブルなどの不具合が生じた場合に、その場で利用できなくなることも、デメリットと言えるでしょう。
小さなお子さんの顔認証に関しても、成長と共に顔が変わるため、機械で読みとることができないなどの問題が報告されています。
マイナ保険証導入当初は、不慣れからくるトラブルが頻発するかもしれません。特に、マイナンバーカードの利用に関しては把握しておかなければならない医療機関にとっては、負担が大きくなるでしょう。まず事前に、受付方法や支払い方法、他院でのトラブル事例など、職員の間でしっかり共有しておくことが大切です。
また、患者への説明に割く時間を削減するために、マイナンバー保険証に関する想定質問を事前にリストアップし、ホームページに掲載しておいたり、院内に掲示したりして対策しましょう。