医療広告ガイドラインにおける広告の該当範囲

2021.08.10トレンド・ニュース

医療広告ガイドラインにおける広告の該当範囲

2017年の医療法の改正とともに、医療機関の広告に関するルールが大きく変わりました。これに伴い、それまで広告として扱われていなかったホームページにも、新たに厚生労働省のガイドラインが設定されました。

積極的に宣伝活動をしていきたいが、規制されている内容についてはよく知らない、という方も多いでしょう。しかし、「知らなかった」では後になって大きな問題に発展する可能性があります。まずは医療広告ガイドラインについて知っておきましょう。

今回は、広告と判断されるもの、されないものについて確認していきます。

医療広告ガイドラインとは

医療機関に関する広告を規制する、厚生労働省による指針です。次の要件を満たすものは広告に該当すると判断されます。

◆ 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)

◆医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

参照:医療法施工規則等の一部を改正する省令案

広告に該当するとみなされるものの具体例

具体的に広告と見なされるものには次のものがあげられます。

◆ 患者さんに配るチラシやパンフレット

◆ポスターや看板(建物・電車・自動車などに記載されたものも含む)

◆ 新聞、雑誌など出版されているもの

◆メール・WEB上の広告

◆ 院内などで開く説明会や相談会などで利用するビデオや講演など

 

広告に該当するとみなされないものの具体例

広告と見なされないものには次のものがあげられます。

学術論文・学術発表等

学会や専門誌などで掲載されるものは、広告と定義されていません。これらは、研究結果などを発表するためのものであり、広告の定義にあげられる誘引性はないと見なされるためです。

新聞や雑誌などの記事

新聞などで掲載される記事は、誘引性がないと考えます。ただし、患者の経験談などの記事は、誘引性があるため広告と見なされる場合があります。

患者自らが書く体験談

医療機関で治療を受けた患者が自分のブログなどで治療内容の経緯を書いたり、雑誌などで公表したり、口コミなどで評判を広げる行為は、個人が医療機関で受けた治療の感想を書いているため、誘引性はないと考えられています。ただし、医療機関が報酬を支払って執筆を依頼した場合は、広告と判断されます。

院内に掲示されるポスターまたはパンフレットなど

院内に掲示されるポスターや患者に配るパンフレットは、すでに医療機関を受診している患者さんのための情報提供であると考えられるため、誘引性はないと見なされます。

スタッフを採用するための広告

医療機関の求人などで使われる広告は、患者の受診を促すための広告ではないため、誘引性には該当しないと判断されます。

 

まとめ

医療広告ガイドラインを守ることは、医療機関だけでなく、患者を守るためにも必要です。まずは、どのようなものが広告と見なされるのかを見極め、適切に宣伝していきましょう。定期的に見直されている医療広告ガイドラインを小まめにチェックすることも大切です。

 

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