2021.07.21成功するクリニック経営
患者からセクハラなどのハラスメントを受けたことがある病院スタッフは、少なくありません。相手が患者だから仕方がなく我慢している、というケースも多いでしょう。スタッフをハラスメントから守るためには、同じ職場のスタッフはもちろん、クリニックの経営者も一緒に戦っていかなくてはいけません。
今回は院内で起きるセクハラの予防と、被害にあったときの対応方法について紹介します。
セクハラなどのハラスメントを予防するには、患者と二人きりになる時、一人ではなく二人以上のスタッフで対応することが大切です。二人で対応することで、暴言や暴力を防げたり、相手の発言を記録できたり、冷静に対応できたりと、メリットが多数あります。
特に気をつけたいのは、なにかが起きた時にもスタッフ側が冷静でいること。患者を興奮させてはいけません。相手は病気を患っており、万全の状態ではないことを忘れずに対応しましょう。
患者からセクハラを受けた場合は、拒絶の意思をはっきりと言葉で伝えることが大切です。はっきりと物を言う相手にセクハラ行為が続くことはあまりありません。
しかしスタッフによっては、明確に断ることができなかったり、周りに相談できずに一人で悩んでしまう場合もあるかもしれません。スタッフを守るためには、普段から、何か起こったときに相談できる体制を整えておきましょう。
問題を起こしそうな患者と個室などで二人きりになることは、当然避けなければなりません。しかし業務上、どうしても避けることができない時は、スマホやレコーダーを使って録音しておくのも有効な対策です。
可能であれば、個室には普段から監視カメラを設置しておくといいでしょう。監視カメラは院内での事故防止にも役立ちます。
可能であれば、セクハラを受けたスタッフ自身が、相手に抗議の意思を伝えることが大切です。そのうえで、院長などの責任ある立場の者が患者に警告をすることで、次の被害を抑えることができます。
自院のスタッフで対応しきれない場合は、警察に相談しましょう。
スタッフを守るためには、セクハラ事案が発生した場合にどのような対応をするか、事前に考えておくことが重要です。初期段階でどのような対応をするか、誰が対応するかなど、事前にガイドラインを定めておきましょう。
患者だからとあきらめてしまうと、スタッフの心身を守ることができません。スタッフを守るために何ができるか、常に考えておきましょう。