2019.04.23トレンド・ニュース
クリニックの開業医は非常に多忙で、開業前の準備期間から開業後の運営まで、考えるべきことはたくさんあります。
しかもそれは「診療」とは違う観点の考え方が重要となってきます。
【開業医必見】クリニックの開業で失敗しないためのポイント4つにも記載してありますが、開業医も経営者です。
経営を失敗させないためには、積極的に経営学を学ぶことが大切。
ここではクリニックの開業や運営を成功させるために、1度は手にしてほしい書籍をご紹介します。
クリニックの開業医が読むべき本は、以下の5冊。
「勤務医・開業医が知っておきたい 病院の税務と経営管理」は、クリニックにおける「業務の流れ」を中心に、クリニックにおける資金の流れと扱い方についてまとめられており、日常業務と資金や税務の関係について、イメージしやすくなっています。
また、「税務と会計の違い」や「業務の流れと資金繰り」などについては、イラストや設例が多く使われており、税務関連を苦手とする医師には、理解しやすい内容になっています。
それまでの医師が手に取る書籍は、医療分野/税務分野 と、内容が分かれているものが多かったのですが、この書籍はコンパクトに両方がまとまっているため、これから開業を目指す勤務医にも役立つ1冊です。
「診療所経営の教科書〈院長が知っておくべき数値と事例」は、1章と2章に分かれています。
1章では、具体的な数値データを元にした、クリニック経営における現在の実態と、これからの動向がまとめられています。
2章では、実際の事例を元にした、クリニック経営のポイントがまとめられており、増患対策、競合とのかかわり方、人事や労務管理、コスト適正化への対策、地域医療とのかかわり方などが記されています。
「絶対成功するクリニック建築・企画開業マニュアル」は、コンサルタントにすべて任せるのではなく、開業の中心となるべき医師が、経営や空間設計のことを理解でき、患者に「喜ばれる」クリニックを作り上げるためのポイントがまとめられています。
法律関連のことや診療報酬といった「ルール」だけではなく、開業立地の選定方法や、科目別の「空間設計」などが示されています。
特徴としては、ビジュアルを多く使ったページが増刷されており、成功事例のクリニックの様子を伺い知ることができます。
「“集患”プロフェッショナル 2016年改訂版~腕の良い医師が開業してもなぜ成功しないのか~」は、開業前にも読む価値はありますが、開業後こそ読むべき1冊かもしれません。
開業にいたる過程では、開業立地の選定、様々な機関への申請や届出、税務管理や法務管理など、「やらねばならないこと」がやまずみですが、見方を変えれば、これらにきちんと対応さえすれば、開業は出来てしまいます。
しかし、医師の腕が良くても、立地が最高の場所でも、集患が上手くいくとは限りません。
この書籍は、集患に悩む1人の開業の悪戦苦闘の日々を、ストーリー仕立てで紹介。読み進むごとに「集患ノウハウ」を学ぶことができる1冊です。
「地域包括ケアと地域医療連携」の著者は、日本を代表する医療経済・政策学者である”二木 立氏”。
日本が超高齢化社会、今後の医療・介護に関する制度・政策の動向を理解していく上で欠かせない、「地域包括ケアシステム」と「地域医療構想」について書かれた書籍です。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降(2025年問題、などといわれています)、医療需要の変化と、認知症高齢者のさらなる増加に備え、国は今、地域包括ケアを推進しています。
この書籍では、実際の構築が難しいといわれている「地域包括ケア」の展望だけではなく、日本全体での政策動向の分析がまとめられています。
クリニック開業医だけではなく、病院経営者、医師を含む医療従事者、地域の担当者など、医療や介護に関わる多くの人に、読んでほしい1冊です。
本記事でおすすめした本は、以下の5冊。
1.勤務医・開業医が知っておきたい 病院の税務と経営管理
2.診療所経営の教科書〈院長が知っておくべき数値と事例〉
3.絶対成功するクリニック建築・企画開業マニュアル
4.“集患”プロフェッショナル 2016年改訂版~腕の良い医師が開業してもなぜ成功しないのか~
5.地域包括ケアと地域医療連携
開業される医師の方には、以上の5冊を読むことをおすすめします。
クリニックの開業に向けた指南書は数多くありますが、どれか1冊だけ読めば良い、というものではありません。
医師としてだけではなく、経営者の顔も持つ開業医にとっては、診療以外での膨大な知識が必要ですし、日本における今後の医療動向も知っておく必要がありますので、ぜひ以上の5冊の本を読んで今後の参考にして頂けたらと思います。