2023.09.22成功するクリニック経営
学校医とは、集団生活をするうえで必要な感染症対策や、病気を予防するための環境整備について、学校長に指導と助言を行う医師を指します。児童や生徒への定期的な健康診断をはじめ、マラソン大会などの学校行事の際には、事故を未然に防ぐための健康チェックや健康相談を担います。学校歯科医や学校薬剤師、養護教諭と連携して、学校全体の健康を守るのが仕事です。
養護教諭とは、学校教育法に従って小・中・高・大学や特別養護施設に配置される、いわゆる「保健室の先生」のことです。主な仕事は保健指導、救急処置、健康相談、精神的ケアなどです。養護教諭一種免許状・養護教諭二種免許状・養護教諭専修免許状のいずれかを取得することで、誰でも就ける職業となります。
一方の学校医は、医師免許を取得した医師のみに資格があります。
学校医は教育委員会の求めを受けて地域医師会が紹介・推薦することで決まります。基本的には内科・耳鼻科・眼科・小児科等のクリニック開業医から任命されることが多いとされています。しかし医師不足の地域や、開業医の高齢化が進み、要請に応えることが難しい地域では、勤務医個人に委嘱されることもあります。
医師としてのやりがいはもちろん、通常の診療以外に生徒や教員といった多くの人のケアやチェックをすることができるので、より多くの経験を積むことができます。
関わった生徒や教員などから信頼を得ることができれば、本人や家族がご自身のクリニックをかかりつけとしてくれるケースもあり、集患にも繋がります。
また、報酬も年額で得られますので、地域や条件などが合えば高収入を得られる可能性もあります。
学校で行われる集団健康診断は、医師が出向いて行う必要があるため、通常の診療に影響があります。健康診断はほとんどの場合、平日に行われますので、クリニックの診療時間と重なった場合には、臨時休診の対応も考えなければなりません。
近年の医療の進歩によって、感染症や外傷などに悩まされる生徒は減ったものの、インターネットやスマホ、高精度のゲーム機の普及や運動不足により、体重増加、睡眠補足、精神的な病気といった、新たな健康問題も浮上しています。クリニックの業務をこなしながら、子ども達を取り巻く状況を常に把握しておく必要もありますので、医師一人に対する負担は大きいものだと言えます。
学校医になるには、まず医師会に入会しなければなりません。また、学校医を辞めるには医師会を退会するか、更新時に辞退するかのいずれかになります。
学校医を受けられるのであれば、報酬も長く安定したものとなり、経験や信頼獲得にも繋がります。ご自身の診察スタイルや、医師としての考えと合ったものであれば、使命されたら良き機会と捉えてご検討ください。