2023.04.28成功するクリニック経営
患者数も増え、クリニックの経営は安定しているが、スタッフがなかなか定着しない。そんなお悩みはありませんか?
離職率が高く、スタッフの入れ替わりが激しいと、求人を行ったり仕事を教えたりする手間ばかりが増え、院長にとっても、今いるスタッフにとっても大きな負担となります。クリニック本来の業務に支障をきたさぬためにも、離職が高くなっている原因を探り、改善していきましょう。
まずは離職が多い原因を探っていきましょう。クリニックおける代表的な離職原因は次の通りです。
クリニックは体調のすぐれない患者に関わる現場ですので、常に緊張感があります。また多くのクリニックは規模が小さく、人間関係が濃密であることから、スタッフ同士の関係性に強いストレスを感じるケースが少なくありません。同じクリニックで働く者であっても、それぞれの立場で治療に対する考え方に錯誤が生じてしまうことも、人間関係の悪化を招く原因となります。
周りに比べて給料が安いことや、労働時間が長いことも、スタッフの不満の一因となり、離職に繋がりやすくなります。任せている仕事の量がスタッフ本人の処理能力に見合わず、知らないところで心身が追い込まれていることもあります。
経営者の振る舞いや強すぎる考え方がクリニックに軋轢を生んでいることも少なくありません。クリニックの理念や考え方が曖昧で、将来のビジョンが見えないなど、経営面での不安から早期に離職してしまうということも考えられます。
離職の原因が分かったうえで、どう改善していけばいいのか。離職率を下げる具体的な対処法をご紹介していきます。
人間関係を構築するためには、基本的なコミュニケーションが必要不可欠です。クリニックには医師や看護師だけでなく多くのスタッフがおり、それぞれ少なからずプライドを持って患者と向き合っています。ただ話すだけではなく、お互いの考え方を共有したり、理解を示したりするようなコミュニケーションをとることが重要です。相手に敬意を示し、考えを聞き出すことで、不満を事前に解消することにも繋がります。
長く働いてくれているスタッフは宝です。昇給や、本人の希望に沿った働き方を、ともに柔軟に考えていきましょう。自分を大切にしてくれる職場は、スタッフにとっても離れ難いものです。
ただし、スタッフ個々の希望を叶えていくことには、リスクも伴います。他のスタッフとの関係性や経営を圧迫しないようにバランスをとりながら、クリニックにとってもスタッフにとっても双方にメリットがある提案をしましょう。
スタッフ同士の関係性にも、労働環境や待遇にも問題がないのに、離職率が高い場合、院長自身がスタッフへの感謝を忘れているケースも少なくありません。ご自身が忙しく仕事が出来るのも、クリニックを支えてくれるスタッフがいるからこそ。まずは感謝の気持ちを持つことを大前提に、スタッフとのコミュニケーションを積極的にとっていきましょう。クリニックの理念や今後の方向性をしっかりと共有することで、スタッフも同じ考えを持ちやすくなりますし、団結力が高まります。
クリニックにとって、医師による適切な医療サービスはもちろん、対応するスタッフの雰囲気はとても重要です。来院する際に毎回知らないスタッフがいるよりも、「いつもの顔」がいることによって、患者も安心して受診することができます。スタッフが離職せず長く働いてくれる職場を目指すことで、患者にとっても居心地のいいクリニックになるでしょう。