2022.10.11成功するクリニック経営
クリニックを開院してから長い年月が経つと、建物は劣化し、来院者に古びた印象を与えてしまいます。多くの患者がクリニックに新しい医療設備を期待するため、見た目の印象が古いと、集患に影響が出ることも心配されます。
しかし全面的なリフォームを行うには、クリニックの診療を数ヶ月に渡ってストップしなければならず、非常にハードルが高いのが現実です。そこでまず、部分的なリフォームを考えてみてはいかがでしょうか。
今回は、クリニックのリフォームについて紹介します。
クリニックの一部分をリフォームするなら、まず患者がよく使う場所から手を付けていきましょう。
ドアを開けて最初に目に入るのは受付です。受付の塗装が剥がれていたり、汚れていたりすると、第一印象を悪くしてしまいます。カウンターの高さや荷物置き場についても考えてみましょう。受付が狭い場合は、広くすることも検討します。明るく清潔感のある受付を目指しましょう。
トイレがきれいかどうかはクリニックの印象を大きく変えます。特に女性は、化粧直しをしたり、子どもの世話をしたりなど、トイレで過ごす時間が長いため、トイレの快適さ次第で二度とそのクリニックに足を運ばなくなる可能性があります。女性の患者が多いクリニックは優先的にトイレのリフォームに取り組みましょう。車いすに対応しているか、お年寄りにも使いやすいか、ベビーベットが設置されているかなど、バリアフリーへの配慮も必要です。
待合室は患者が快適に過ごせる場所であることが重要です。狭くて閉塞感がある、快適な温度が保てていない、他の患者との距離が近い等、なんとなく居心地が悪い待合室は、思い切ってリフォームしましょう。
リフォームする際は、次のような点に留意しましょう。
入口から受付、待合室までの動線について考えてみましょう。途中に障害物があったり、受付の中が見えたりする場合は、もう一度動線を考え直す必要があります。また、スタッフと動線が重ならないようにすることも大切です。動線が重なると、患者とスタッフがぶつかったり、通行の妨げになったりすることがあります。
受付や待合室は暗くなっていませんか?手元の本が読みにくい、雨が降ると暗くなるといった場合は、窓や照明の位置を考え直す必要があります。
窓のリフォームは費用がかさむ場合がありますが、可能であれば窓を増設したり、大きくしたりするのもいいでしょう。風通しもよくなりますので、感染症対策にも有効です。
照明器具の変更は手軽に行えるリフォームのひとつです。暗い場所には照明を追加したり、電球をLEDなどの明るいものに変えたりと工夫しましょう。
古いクリニックは、車椅子に対応していなかったり、手すりがなかったりする場合があります。リフォームをするなら、高齢者や体の不自由な人にも対応できるようバリアフリーに対応しましょう。体の不自由な方にとって靴の履き替えは困難ですので、思い切って土足対応にするのもいいでしょう。土足であれば、その都度スリッパを除菌する手間も省けます。
最近新しい患者が減ってしまった、と感じているなら、リフォームを考えるのもひとつの方法です。患者は明るく居心地のいいクリニックに集まります。患者が快適に過ごすためには、何が必要かを考えてみましょう。普段から不便に感じていることを記しておいたり、スタッフに意見を求めてみてもいいでしょう。