毎月の保険証確認はもう必要ない?オンライン資格確認の導入について

2022.11.12クリニック開業の心得

毎月の保険証確認はもう必要ない?オンライン資格確認の導入について

患者の健康保険証や受給者証が古いままだったことが原因で、レセプト請求等の事務手続きに手間取ったことはありませんか?

これまで患者の最新の資格情報を確認するためには、受付でその都度保険証等を確認し、変更がある度に手入力しなければなりませんでした。新規の患者はもちろん、既存の患者に対しても、新しい月が始まる度に確認しなければならないため、スタッフの手間もかかり、単純ミスの原因にもなってきました。

今回は、オンラインで患者の資格情報(健康保険や自己負担割合)の確認ができるオンライン資格確認についてご紹介します。

 

オンライン資格確認とは?

オンライン資格確認は、マイナンバーカードのICチップ、または健康保険証に記載されている記号番号などにより、オンラインで資格状況が確認できる新しいシステムです。オンラインで自動的に最新の保険資格を取り込むことができるため、その都度の確認作業や入力作業が省け、事務コストの大幅な削減に繋がります。

マイナンバーカードを使用する場合は専用のカードリーダーを利用するため、患者さんからカード自体を預かる必要もありません。

 

オンライン資格確認の流れ

マイナンバーカードや健康保険証は次のように確認します。

マイナンバーカードの場合

・顔認証付きカードリーダーに置く、またはスタッフが目視で顔認証をする。

・暗証番号を患者自身に入力してもらう。

健康保険証の場合

・健康保険証を提示する。

・スタッフが健康保険証の記号番号を入力する。

 

入力後は、支払基金・国保中央会にあるオンライン資格確認などのシステムで、自動的に患者の保険資格を確認します。

 

オンライン資格確認を導入するメリット

オンライン資格確認を導入することにより、窓口での手間や作業量を減らすことができます。

健康保険証の確認や入力作業を省ける

毎回目視で保険証や受給者証を確認する必要がなくなります。また入力作業も不要になります。

レセプト返戻が削減できる

レセプト請求の際、患者の保険証情報が古かったり、入力にミスがあったりすると、審査を通らず差し戻されてしまいます。オンライン資格確認を導入すれば、その場で患者の健康保険証の内容が確認できるため、レセプト返戻が減り、修正や再請求の手間も大幅に削減できます。

災害時に薬剤情報や特定健診情報などが閲覧できる

オンライン資格確認を導入することで、災害時に限り、本人の許可を得ることなく患者の薬剤情報や特定健診などの情報を閲覧できます。患者の状態をデータとして共有することができるため、災害医療への大きな役割が期待されています。

 

まとめ

これまで医療機関の受付で毎月行っていた保険資格の確認。患者の健康保険証や受給者証が最新のものではなかったり、入力を間違ったりすると、不要な業務を生み出すこともありました。

オンライン資格確認を導入すれば、医療機関にとっては手間やミスの機会を減らすことができ、結果的に患者へのサービス向上にも繋がります。できるだけ早急に導入を検討しましょう。

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