2022.08.28成功するクリニック経営
近年、大雨や地震などの自然災害が日本各地で頻発しています。みなさんのクリニックでは、どの程度、災害に備えているでしょうか?
今回は、医療機関において、災害が起きる前に準備しておきたいことを紹介していきます。
一言で自然災害といっても様々な種類があります。災害対策基本法では、災害を暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象と定義しています。また災害に伴って発生する火事や、家屋の倒壊にも備えておく必要があります。
自院の災害リスクを把握するために、まず自治体等が発行しているハザードマップを確認しましょう。地域に起こりうる災害の危険性や、避難所の位置などを知ることで、適切な防災対策をとることができます。
災害が発生したらすぐにスタッフ全員に連絡が取れるよう、準備しておきましょう。LINEなどでグループを作っておくと一斉に連絡をとることができて便利です。ただし、電話やインターネットが繋がらなくなる可能性についても考えておかなくてはいけません。通信が遮断された時の連絡手段についても、検討しておきましょう。
災害時には普段できていることでも冷静に対処するのが難しくなります。災害が発生したら誰が何をすればいいのか対応を事前に話し合い、マニュアルを作成しておきましょう。
患者の避難を誘導する係、火の元を確認する係、関係者に連絡をとる係など、具体的な行動と担当者を決めておくことで、いざという時にスタッフの混乱を抑えることができます。
地震の場合、洪水の場合、火災が発生した場合など、自院の災害リスクをふまえ状況別にマニュアル化しておくことも必要です。
現行の消防法で年に二回の消防訓練が定められていますが、それだけでは充分とは言えません。自院の災害リスクに特化した避難訓練を、くり返し行うことが重要です。定期的な避難訓練は、職員の防災意識を高めることにも役立ちます。
ライフラインが停止する可能性を想定し、必要であれば非常用の電源を確保しておきます。また、ライフラインが復旧するまでの備蓄や代替についても、事前に計画して備えましょう。
災害時に診療を続ける可能性を考慮し、クリニックの実情に応じて、医薬品、医療用品、その他の消耗品を必要数備蓄しておきましょう。
災害はいつどんな時に起きるかわかりません。患者やスタッフを守るためには、日頃から準備をしておくことが必要です。落ち着いて行動するためにも、非常時のためのマニュアルを作成し、定期的な避難訓練を行いましょう。
もしまだ具体的な対策を考えていなければ、この際に是非考えてみてはいかがでしょうか。