医師は診療に集中したい! クリニックに事務長を配置するメリットとデメリット

2022.02.16成功するクリニック経営

医師は診療に集中したい! クリニックに事務長を配置するメリットとデメリット

クリニック院長と事務長

クリニックを開業したところ診療に集中できなくなった、といった悩みはありませんか?スタッフの教育や税務などの仕事に追われて、勤務医だった頃のように患者の治療に専念できない。開業してから「こんなはずではなかった」と頭を抱えるドクターは少なくありません。

これらは医師でなくてもできる業務です。しかし、他人に任せるのは心配という方もいるでしょう。そんなときに考えたいのが、事務長の採用です。クリニックに事務長を配置することには、どんなメリット・デメリットがあるでしょうか。

事務長はどんな仕事をする?

事務長とは、クリニックの仕事のうち医療行為以外の事務業務全般をとりまとめる管理職を指します。院長が集中して診察や治療に取り組めるように、経理・労務・広報などの仕事全般をサポートします。クリニックの経営状態を把握し、ともにクリニックの円滑な運営を実現していく、院長の右腕とも呼べる存在です。

事務長の担う業務は多岐に渡ります。診療報酬や人件費など金銭に係わること、スタッフの雇用や教育、ホームぺージの管理やクレーム処理など、あらゆる面から院長をサポートします。院長の方針にもよりますが、事務長にある程度の決定権が与えられているクリニックは少なくありません。医療行為以外の細かな雑事の判断を事務長に委ねることで、院長の負担は各段に軽くなると言えるでしょう。

クリニックに事務長を置くメリット

医師が自分の仕事に集中できる

事務的な業務に時間を割く必要がなくなるため、院長は診療や治療など医師としての本来の仕事に集中することができます。

院長とスタッフの間の緩衝材となる

院長の口から直接スタッフに話しにくい事柄も、事務長が間に入ることで、間接的に伝えることができます。院長はスタッフの仕事を全て把握することは困難ですが、事務長が代わってスタッフの様子を確認することもできます。

また、スタッフ側も院長には言いにくいことを事務長に相談するなど、クッションとしての役目を負うことができます。

医療スタッフと患者の間の緩衝材となる

医師や看護師の代わりに患者からのクレームを受けたり、診察システムについての希望を聞き取ったりと、医療スタッフとは別の立場で患者の相手をすることができます。医師をはじめスタッフと患者が無駄に衝突することを避け、円滑な診療を裏から助けます。

 

クリニックに事務長を置くデメリット

事務長と医療スタッフのパワーバランスが難しい

事務長は医療行為を行うことができないため、医療スタッフから低い立場で見られてしまうことがあります。そのため、事務長の立場を確立し、周囲の信頼を得るまでは、院長自身がスタッフの様子に目を光らせる必要があります。

事務長に医療施設での勤務経験があれば、周囲からの理解も比較的得られやすいでしょう。

院長と意見が対立する場合がある

事務長にどこまで権限を与えるかにもよりますが、クリニックを運営していくうえで、院長と事務長の間に小さな意見の違いが出てくることは少なくありません。

最終的な判断は院長が行うとしても、些細な摩擦が積み重なってストレスになることもあり得ます。

 

まとめ

クリニックに事務長を配置する場合は、まずは院長自身が事務長の存在意義を認めることが大切です。医療行為以外の業務においてある程度の権限を与え、信じて任せることで、事務長はその役割を果たすことができ、スタッフからの信頼を得ることにも繋がります。

 

 

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