2021.03.26成功するクリニック経営
クリニックの経営を続けていくためには、優秀なスタッフに長く働いてもらうことが必要です。しかし、せっかく優秀なスタッフを確保できても、なかなか長く働いてくれない、すぐに辞めてしまうといったこともあるでしょう。
辞める理由には、スタッフ個人の事情もありますが、クリニック側にも足りないものがあるかもしれません。今回は、スタッフの定着率を高くする方法について紹介します。
仕事が忙しくなると日々の業務に追われ、なかなかスタッフと話し合う機会を持てません。コミュニケーションを絶やさないためには、あらかじめ、定期的に話し合うタイミングを設定しておきましょう。一・二カ月に一回程度の頻度で充分です。
ただし、新しいスタッフは日々の業務に戸惑うことが多く、聞きたいことも多いものです。週に一回は声をかけるなど、頻繁にコミュニケーションをとるよう心掛けましょう。
話し合いの際には、「なにか困ったことはないか?」「これからやってみたいことはあるか?」などの質問をするといいでしょう。ただ単に雑談をするだけでも、スタッフの気持ちを楽にしてくれます。常に話しやすい環境を整えておくことで、退職を事前に防ぐことができます。
クリニックのスタッフのなかには、育児や介護などと併行してお仕事をされている方もいるでしょう。そんな方たちのために、制度を作っておきましょう。例えば、近所の保育所と契約を結び、診療時間に合わせて預かってもらえる体制をつくります。また、家庭の事情がある方には、土日・夜間などの勤務に対しての配慮も必要です。
社会の情勢に合わせて柔軟に労働条件を見直すことも必要です。「他のクリニックと比べて給料が安い」「残業や休日出勤が多い」などの不満があると、スタッフはより好条件のクリニックに転職してしまいます。職場環境をよくするために、常に社会の雇用事情に目を向けておきましょう。
医療従事者の教育には、資格取得のほかに、研修や学会への参加が挙げられます。スタッフが新たに資格を取得したり、知識を増やしたりすることができれば、クリニックの経営にもプラスになります。また、スタッフの仕事へのやりがいにもつながります。資格を取得するための費用や交通費などの負担についても考えてみましょう。
資格を取得したスタッフに対する昇給制度を整えるのも、ひとつの方法です。努力を認める制度があることで、スタッフの仕事への向上心を高めることにつながります。一緒に資格取得を目指す仲間が増えれば、スタッフ同士の交流も増え、仕事上のコミュニケーションもとりやすくなります。
優秀なスタッフを確保していくためには、常にスタッフの声に耳を傾け、「どんな不満があるのか」「やる気を失ってないか」などを知ることが必要です。定期的に話し合いを持つ機会をつくり、改善できることがあれば、一緒に新しいシステムを作っていくことも必要でしょう。
スタッフの希望を全て叶えることは難しいですが、できる範囲で寄り添っていくことで、長く働きやすい職場となるでしょう。