2020.12.31成功するクリニック経営
「待ち時間が長いといわれた」「診察内容に納得できない」など、クレームはいつどんなときに発生するかわかりません。クレームが起きる前に、どんな問題が起きやすいのか、起きた場合はどのような対応をすればいいのかなど、事前に考えておくことが大切です。
今回は、クレームの例やクレームが起きたときの対応方法について紹介します。
「スタッフの対応が悪い」など一般的によくあるクレームの他に、医療機関ならではのクレームも見られます。「病気が思うようによくならない」「体調の悪さをわかってくれない」など、相手が病人であるからこそのクレームは少なくありません。
気持ちよく治療を受けてもらうためには、患者が今なにを望んでいるかを知ることが大切です。「マニュアル通りに対応していれば問題ないだろう」「必要なことは伝えたのだから私に悪いところはない」などといった考えは、クリニックにおいては間違っています。
来院した患者が、今何をしてほしいか、何が辛いかを把握し、マニュアル一辺倒ではない臨機応変な対応をしましょう。
また、クレームの多くは接遇面での問題が原因となっています。挨拶をしてくれなかった、冷たい態度をとられたなど、患者はスタッフの対応にとても敏感に反応します。
ここでは起こりやすいクレームの例をあげます。
待ち時間が長くなりそうなときは、前もって時間がかかることを患者に告げておきます。診療が遅れている理由も伝えれば、よほどのことがない限り患者は納得してくれます。「私たちはあなたのことを忘れていない」ということを知らせておくことで、待つ間の不安が軽減され、クレームに繋がりにくくなります。
体調の悪い患者は、精神的に辛い場合が多く、急に興奮して怒ってしまう方もいます。「自分の状態が心配で早く診てもらいたい」「痛みが強くてじっとしていられない」などの不安から、大声をあげてしまうケースもみられます。
大声を出された場合は、他の患者の迷惑にもなりますので、別室に案内するようにしましょう。その際、決して一人で対応してはいけません。
人は大声で怒鳴られたり、怒られたりすると、萎縮してしまい冷静な判断ができなくなる場合があります。そんなときは一人で対応せず、他のスタッフまたは院長に相談できるような環境を作っておきましょう。大人数で対応することで、冷静になることができ、また暴力等の可能性から身を守ることにも繋がります。
クレームが発生してしまったら、興奮している患者を別室に案内するなど、その時々の状況に合わせて対処しましょう。これまでに起きたクレーム事案を見直し、スタッフ同士で話し合い、マニュアルを作ってみるなど事前に準備しておくのもいいでしょう。