2020.12.03成功するクリニック経営
多くの患者は、「いい治療を受けたい」「早く病気を見つけて欲しい」と願っています。それでは、具体的にどんなクリニックで治療を受けたいと考えているのでしょうか?
今回は、多くの患者に自院を選んでもらうために、何を重視すればいいのかを考えていきましょう。
厚生労働省の受療行動調査によると、次のような理由で病院を選んでいると報告されています。
患者が病院を選ぶ理由 |
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1. 医師による紹介 |
2. 交通の便が良い |
3. 専門性が高い |
4. 家族・友人などからのすすめ |
5. 医師や看護師が親切 |
6. 建物がきれい・設備が整っている |
(参考:厚生労働省:受療行動調査より https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/17/dl/gaikyo-all.pdf)
この結果から、多くの患者が医師や家族・友人からの紹介で病院を選んでいることがわかります。もちろん、クリニックに行く前にホームページで医師の経歴や専門性、場所などの情報も確認するでしょう。
それでは、より多くの患者に来院してもらうために、クリニック側は何をすればいいのでしょうか?
最も大切なのは、来院した患者にいい印象を与えるということです。当たり前のようですが、具体的な対策を練っているクリニックは多くありません。
クリニックの印象が良ければ、患者は他の人に口コミで伝えてくれます。また、良い口コミによって、他のクリニックの医師からも信頼を得ることができます。
いい印象を与えるために、まずは今できることを、具体的に考えてみましょう。
例えば、待ち時間が長くなってしまう時、その理由を、患者一人ひとりに説明していますか?忙しさを理由に説明を怠ると、患者は、自分のことを忘れてるのかもしれないと不安を感じます。
患者から「スタッフの対応が悪い」と言われたことが一度でもあれば、すでに大きな問題を抱えていると考えてください。
患者に悪い印象を与えることがないようにも、具体的な接遇マニュアルを作成しておくといいでしょう。
例えば、
待ち時間が長くなってしまう場合
「あと何人ほどお待ちの方がいます。申し訳ありませんが、もう少しお待ちいただけますか?」と伝える。
部屋の温度が暑いor寒いと感じた場合
「お部屋の温度はどうですか?」と声をかける。
等です。
具体的な対応を予め決めておくことで、スタッフが行動しやすくなります。また、患者に対する目配りの必要性が高まり、サービスの質の向上に繋がります。
忙しくなってくると、どうしても患者を置き去りにしてしまいがちです。
しかし、特に初めて来院された方には不安が多いものです。初対面の医師に対して、自分の言いたいことを伝えられていないかもしれません。そのような患者に対しては、診察の前後の様子をよく観察し、必要であれば声をかけるようにします。
具体的には、「診察は終わられましたか?」など、相手の負担のかからない質問をするといいでしょう。もし、何か言いたいことがありそうな場合は、再び話を聞いたり、医師に伝えたりすることもできます。
患者のニーズに答えるためには、常に相手の立場を想像し、何を求めているか考えを巡らせることが大切です。自分が患者の立場なら何を考えるだろう?何をしてほしいだろう?と、相手の目線に立って想像力を膨らませましょう。
患者の求めていることを敏感に察知し、気持ちの良い対応ができるようになれば、自然と「選ばれる病院」になっていくでしょう。