2020.10.05成功するクリニック経営
子どもにとって病院は「怖い場所」です。はじめから子どもに悪い印象を与えてしまうと、次の来院につながらない場合があります。子どもたちの気持ちをやわらげるためには、病院は辛い場所であってはいけません。そのため多くのクリニックでいろいろな試みをしています。
今回は、これまでの試みを参考にしながら、小児科に通院する子どもの緊張をやわらげる方法を紹介します。
子どもの通院が少しでも苦にならないように、楽しい雰囲気をつくりましょう。
人気キャラクターを使ったカーテンや壁紙はとても喜ばれます。好きなキャラクターは子どもの不安をやわらげます。待合室や診察室にぬいぐるみを用意しているクリニックもあります。子どもの間で流行しているキャラクターをリサーチし、積極的に取り入れるといいでしょう。
また、子どもの日などのイベントは、スタッフ全員でキャラクターの帽子などを着て一緒に楽しむ病院もあります。それまで、「先生が怖い」と思っていた子どもも、次の診察から笑顔で来院するでしょう。
多くの小児科のクリニックでは、子どもが遊べるスペースを用意しています。ただし、あまり小さなスペースだと子ども同士の喧嘩が増えたり、逆にストレスがたまったりするケースもあるようです。キッズスペースは隅々まで大人の目が届くように配置しましょう。
子ども同士の感染を防ぐために、静かに遊べるよう工夫をするのもいいでしょう。例えば、プレイマットはやめて子ども用の椅子を用意します。本を読んだり、テレビを見たりする場所にするのです。
子どもに恐怖を与えないようにすることが大切です。診察室の中の様子が見えたり、音が聞こえたりすると、さらに恐怖を煽ることになります。防音設備を準備することが難しい場合は、心が落ち着く音楽や、楽しくなるような音楽を流すといった方法もあります。
タブレットを貸し出せば、子どもがゲームで遊んだり、映画をみたりすることができます。一般に販売されている子ども向けタブレットは教育ゲームや音楽・本・映画などを楽しむことができます。子どもむけタブレットは、衝撃に強く、体に害の少ない材料を使っている物もあるので、調べて購入するといいでしょう。
子どもが緊張しているときは、子どもの気持ちになってみましょう。
「緊張しなくても大丈夫だよ」と声をかけましょう。スタッフに声をかけてもらうと一旦気持ちが落ち着きます。「今日は学校で何して遊んだの?」など、子どもが楽しくなるような話をしてみましょう。また、スタッフと一緒に深呼吸をしてみるのもいいでしょう。気分が落ち着きます。
泣いている子どもは、頭の中が恐怖でいっぱいです。そんなときは、テレビを見せたり、音楽を聞かせたりします。
身体的なふれあいにも不安を軽減する効果があります。母親に抱きあげてもらう、背中をなでるなどのふれあいが、子どものストレスを軽くします。
病院が怖くて通院を嫌がったり、泣いてしまったりするお子様をよくみかけます。安心して通院してもらうために、そして安全な治療を受けてもらうためには、病院側もあらかじめ準備しておかなくてはいけません。この機会にもう一度、子どもが気持ちよく通院できる方法を考えてみましょう。