2019.07.01成功するクリニック経営
クリニックを開業したら、自分一人ですべての業務をこなせるわけではありませんから、医師や看護師、医療事務・受付スタッフなど、必ず誰かを雇用する必要性が出てきます。
人材の雇用は、開業したあとも継続的に考えなければいけない問題です。この記事では、医療事務スタッフを例にあげて、スタッフの採用時に確認しておきたいポイントをご紹介していきましょう。
医療事務のスタッフを雇用する際には、どんなポイントを確認しながら人材を確認すればいいのでしょうか。
まず、医療事務のスタッフは、医療点数を計算して患者さんに請求するのが主な仕事です。つまり、医療事務の仕事ぶりは、クリニックの収入や経営にも影響してきます。
また、医療事務スタッフは、医療点数の知識が豊富です。医師が見逃してしまいがちな医療点数の仕組みを、必要に応じて指摘することなども医療事務のスタッフに求められる素養と言えるでしょう。
この点を踏まえると、言われたことしかやらない「指示待ち」のタイプの人では、「必要に応じてアドバイスする」という配慮は期待できません。
逆に、自己主張が強すぎてしまい、「医師の立場を無視」するほどの人でも困ります。クリニックの経営者は医師ですので、あくまでも医師の立場を認識したうえで、秘書のようにフォローしてくれる人材が適任なのです。
医療事務の仕事は、患者さんにも接する仕事です。患者さんのちょっとした要望、不満等は、医療事務のスタッフに向けられることもあります。このような患者さんの声は、経営者である医師に共有されるべきもの。それを適宜伝えてくれる細やかさが、医療事務のスタッフには求められる点です。
人材を雇用する際には、過去にどんな仕事をしてきたかも見極める必要があります。例えば、前述のような医療事務のケースでは、「現在の医療点数について精通しているか」が大切なポイントになります。
どんなに医療事務としての経験が長くても、5年や10年のブランクがあっては、現行の医療点数に対応できるかはわかりません。
クリニックは少数精鋭でも運営できるほどの、経験と実力のあるスタッフが必要です。そのために、できれば採用時に小テストを実施し、その実力を確認しておきましょう。
安易に他の病院から人材を引き抜くのは考えものです。例えば、その病院の医療を支える人材を自身のクリニックへと引き抜いてしまうと、クリニックの医療の質は上がるかもしれませんが、引き抜かれた側の病院は窮地に立たされてしまいます。
クリニックは病診連携が必須ですので、地域の医療連携のバランスを壊すような、人材の引き抜きは行ってはいけません。