2019.04.28開業準備
クリニックを開業しようとする際、とても重要になってくるのが診療圏調査です。
診療圏調査は、クリニックの開業地を選定する際に役立つことはもちろん、その後のクリニック経営を成功させられるかにも関わる重要な調査。
診療圏調査をしっかりすれば、開業地の選択もやりやすくなり、永く患者さんに愛されるクリニックを創ることが出来ます。
ここでは、知っておきたい診療圏調査の基礎知識や、開業地の選択に役立つ情報をお伝えします。
診療圏調査とは、クリニックを開業した際、どんな人が、どれくらい通院してくれるのかを調べる調査のことです。
ある場所で開業した場合に、1日あたりどれくらいの外来患者数が見込めるのか
「その候補地のポテンシャル=推計患者数」を把握するものです。
『数値が大きい程その地域の医療に対するニーズが高い』
『数値が小さい程その診療科は飽和状態』
等の情報が分かります。
開業地の選択を成功させるためにも、診療圏調査は必ず必要になってきます。
診療圏調査に関する情報を以下に挙げました。
例えば、周囲に病院やクリニックが全くないエリアがあり、そこに新しくクリニックを建てたとしましょう。
おそらくそのエリアの周辺住民は、新しくできたクリニックの患者になります。
しかしその周辺住民が、ごくわずかしか住んでいなければどうでしょうか。
どれだけ集患しても患者さんが集まらない状態では、クリニック経営は行き詰まってしまうのです。
そのようなことがないために開業選択のプロやコンサルタントと、”適切な開業地であるか?”等を見極めなければなりません。
もう一つ例を出してみます。
例えば、人口のほとんどが20代しかいない地域Aと、人口のほとんどが高齢者しかいない地域Bがあったとします。
どちらの方が十分な患者さんを集められるでしょうか。
おそらく通院するのは高齢者がほとんどです。
20代しかいない地域Aよりも、地域Bの方がより多くの患者さんが来院してくれる傾向にあります。
診療圏を調査することは、クリニックの経営に大きく関わること。
医療コンサルタントは開業前にしっかり調べることはもちろん、開業した後に本当に経営がうまく行くか?まで考えて診療圏調査を行いますのでご安心ください。
多くの医師の先生は、銀行からの借り入れをしてクリニックを開業しています。
その際には、事業計画書を提出する必要が出てくるのです。
「どんな医院をどこに建てるのか」
「どれくらいの患者数が見込まれ、どれくらいの利益を回収できるのか」
などを記載する必要があります。
もし、診療圏調査が十分な情報でなかったら、最悪の場合融資を断られたり、希望する額のお金を借りられないという事例もあります。
診療圏調査は、多くの開業コンサルタントが行っていることです。
しかし一般的な診療圏調査は、政府が提示しているデータをただまとめただけのものであることが少なくありません。
専用のソフトを買えば誰でも知ることのできるデータだからです。
もしこの数字だけのデータだけをもとに開業すれば、経営が立ち行かないクリニックも中には出てくるでしょう。
必要なのは、経営に役立つ生きたデータ。
ただの人口分布、競合の医療施設の分布を知るだけでは、本当の診療圏調査とは言えません。
これから開業を考えている医師の先生にとって、開業場所は成功を左右する重要な決定事項ですので、慎重に診療圏調査を行う必要があるのです。
次に、開業地の選択について考えたいと思います。
都市部で開業するのか、郊外で開業するのかでかなり状況は変わってきますので、まず、都市部と郊外に見られる開業のスタイルを例にそれぞれの違いをご紹介します。
都市部では、一から土地を探して建物を建設するよりもテナントとして入るケースが多い傾向にあります。
これは、都市部は郊外に比べて交通の便がよく、ビルや商業施設などの建物が乱立し、テナントを見つけやすい環境にあるからです。
また、土地や建物を自分で用意してから開業するのは、費用の負担も大きくなります。
それに比べて、テナントを借りるのは、賃借料を支払うだけですので費用がかかりません。
場所を借りて開業するため、万が一その立地に問題があった場合にも、容易に引っ越し、経営の立て直しをはかることもできます。
土地を探してから建設をするとなると、費用だけでなく膨大な時間もかかります。テナントを借りて開業すれば、かかる時間はテナント探しと内装工事程度。
あらゆる面で負担が少ないのがメリットです。
郊外で開業する際には、都市部のようにテナントを借りるケースは稀。
これは、そもそもテナントそのものを探すのが簡単でないことが関係しています。
開業する際には、診療圏調査などを行ってからエリアを絞るため、その地域に優良なテナントが借りられるかどうかはわかりません。
そのため、郊外では土地や建物から自身で用意して開業するケースが多数を占めます。
こうなると莫大な資金が必要です。土地を購入し、病院を建設するだけでも数年の時間が必要となるでしょう。
郊外に多い土地探しから始める開業でも、初期費用を抑えることは不可能ではありません。実例をご紹介します。
ある医師の開業のコンサルのご相談をいただいたのですが、その時点では定年後の開業を計画中でした。
しかし、定年後の開業となると、クリニックを継続できても20年程度が限度。多額の融資を受けることはリスクも高く、負担になります。
できるだけ初期費用を抑えて開業したい・・・ということでご相談いただきました。
以前弊社でコンサルでお勧めした物件は、建設予定の「医療モール」。
医療モールでの開業であれば、モール所有者が土地を開発するので、一からすべてを準備するよりも費用が抑えられます。
更に5年契約など短期契約を結ぶことで、将来にかかるリスクも減らすことができる、という事例もあります。
開業となると、借りるのか、建てるのかの2つのパターンしかないと思われるかもしれません。
しかし、コンサルタントの情報収集力や交渉力によって、費用負担を抑えながら新築の状態で開業することが可能になります!
開業地の選択を成功させるためにも診療圏調査は必要です。
そして診療圏調査をしっかり行い、最適な開業地の選択に移ります。
土地購入から病院を建設するのか、テナントが良いのか医療モールが良いのか、それぞれ住んでいる地域によってケースは異なります。
まずは、開業コンサルタントにご相談し、コンサルタントの持つ情報を元に、先生にとって一番良い開業方法を一緒に見つけませんか?