2019.04.25開業準備
クリニック開業に付きまとうのが失敗のリスク。もしも経営に失敗してしまったら、多額の負債を抱えることになってしまいます。
ここでは、実際にあった医師の体験談をもとに、クリニック開業後に起こった失敗例を5つ挙げます。
クリニック開業までの準備にはさまざまな課題がありますが、以下を読んで1つずつ確実に解決していけるようにしましょう。
目次
・失敗例その1 開業コンセプトの設定が不十分だった
・失敗例その2 構造上の動線が上手く設定できなかった
・失敗例その3 不要な高額医療機器を購入してしまった
・失敗例その4 スタッフの選定を誤った
・失敗例その5 資金調達を甘くみていた
『クリニック開業を目指したものの、最初にしっかりとした開業コンセプトを確立できていなかったため、患者数が増えず、収入が伸びない。』
―クリニック開業を考えた時、まず最初にじっくりと検討すべきなのが「開業コンセプト」です。
クリニックとしての「方針・信念・理念」などは、ある程度浮かんでくるとは思いますが、さらに一歩踏み込んで、クリニックとしての「特徴」や「強み」も予め設定しておくことが必要です。
「開業コンセプト」の確率が不十分な場合、開業する地域の選択や、必要な医療機器の選定を誤ることもありますし、クリニックの構造自体に問題が起こることもあり、結果的に患者数の増加が望めなくなります。
『医療者と患者との動線を理解していない建設業者を選定してしまい、自分自身もあまり理解していないうちに見た目で判断してしまったので、結果的に動線に難がある構造になってしまい、働きにくい環境になった』
―外観の派手さや内装のキレイさに気を取られてしまい、結果的に「動線」を考慮した構造に出来なかった、という例です。
確かに、部屋の広さや壁の色などの内装も重要なのですが、医師の動き、看護師の動き、患者さんの動きを理解していないと、クリニックとしての「動線」を考えるのは難しいことです。
これに長けている設計者や建設業者は費用が高くなるかもしれませんが、自分自身も「動線」を理解し、何度も検討を重ねることが必要です。
『大学病院や病院での勤務状況を考えた結果、高額な医療機器を最初から購入してしまったが、実際にクリニックを開業したら、それらの医療機器を使用する機会がなく、結果的に高額な返済や保守料に悩んでいる』
―失敗例その1とも関係しますが、最初に考案した「開業コンセプト」が実情に沿っていなかった場合。
開業時に購入した高額な医療機器が、結果的に不要となることがあります。
また、病院勤務とクリニックでの診療内容の違いを、予めしっかりとシュミレーションしておかないと、こういった失敗につながることもあります。
想定される患者像や、開業する地域の実情などを良く見極めてから、開業時に購入(あるいはリース契約する)医療機器についてじっくりと検討しましょう。
このケースでは、開業間近となって慌てて会計事務所へ駆け込みました。
しかし実際に融資が受けられたのは、事前に必要な資金(建築費用や医療機器の購入費用など)を十分に調達できず、これらの進捗が遅れてしまったために、開業予定が2カ月ほどずれ込んでしまいました。
クリニックの開業まで、何もかもが初めての経験であれば失敗してしまうこともあります。
【開業医必見】クリニックの開業で失敗しないためのポイント4つにも記載してありますが、開業医も経営者です。
経営を失敗させないためには、積極的に経営学を学ぶことが大切です。
以上に挙げた失敗例と対策を事前に知ることで、「失敗をしない開業」を目指しましょう。