開業ガイド

2017.08.09開業準備

開業を目指すなら病院の設計も重要に。場合によっては工事のやり直しが生じることも!

A man is signing a contract

開業には各種届出と許可が必要になる

開業に必要な届出は多く、どれが漏れても開業に支障をきたします。建物自体が完成しても許可が下りなければ違法な医療行為とみなされるケースもあるからです。病院の開業にはお金がかかるだけでなく、医療機関特有の会計処理から費用の回収に時間がかかることにも理解が必要になります。開業のために必要な情報は非常に多いのです。

 

意外と見落としがちなのが、病院や診療所の設計です。実績があるところに設計を任せることもできますが、丸投げはできないようになっています。なぜなら開業のためには所管の保健所へ相談する必要があり、事前相談がなければ高確率で許可が下りなくなるためです。レイアウトに口を出されるケースもあるため事前の調整が必要になります。

 

例えば、内装が終わってから問題が発覚した場合は、内装工事のやり直しが必要になります。必要な設備がなければ基本的な設計自体を見直さなければならない可能性も出てきます。実績がある設計事務所であっても、最新医療に関する法律の変化まで把握しているとは限らない点にも注意が必要です。所管の保健所に相談し、十分に問題がないとわかってからでなければ大金を無駄にしてしまう可能性があるのです。

 

大切なのはコミュニケーションです。まずは保健所に建物設計に必要な条件を聞き、漏れがないようにする必要があります。その上で設計に着手し、レイアウトなどに問題がないかも再度チェックしてもらう必要があります。また、保健所の情報と都道府県の条例、建築基準法の基準を満たすかは別の話になるため、それぞれチェックが必要になります。

 

当事者意識を持つことも大切です。設計が終わり建物ができても、欠陥があれば再度工事が必要な場合が出てきます。また、自分の知識が足りなければチェック自体が出来ない場合もあります。分からないからと丸投げしてしまうのは危険なため、少しでも勉強し、依頼する相手がしっかりした相手かどうか見極める下地を作る必要があるのです。

 

開業するということは、診療所や病院に関する責任を自分が背負うということです。問題があれば身をきるのは自分です。開業の遅れなどはそのまま収入の遅れにつながるため、念入りなチェックが必要なのです。

保険医療機関指定申請も忘れないようにする

開業のための届出は多く、手続きが混同されがちなものも多く存在します。基本は必要な手続きを書き出し、チェックリスト化することです。わからないことは確認をするのも重要で、自治体や保健所の相談窓口を利用する、あるいはコンサルタントに相談するなど工夫する必要があります。中でも重要になるのは保険医療機関指定申請です。

 

診療所開設届が受理されれば病院として成立することになります。ただし、医療行為は全て自由診療の範囲になります。保険医療機関として指定されなければ保険診療を行えないためです。美容クリニックなどで完全自由診療にする場合を除き、保険医療機関指定申請は必須になるのです。申請は所轄の厚生局で行い、受理されれば保険診療が行えるようになります。

 

逆に言えば、不備で受理が遅れればそれだけ開業日が遅れるということです。また、地域によって保険医療機関指定申請の締切日は異なり、ずれ込めば1ヵ月待たなければならなくなる場合があります。申請してすぐ受理をされるわけではないため、地域の締切日を事前に確認し、申請が間に合うようにスケジュールを整える必要があるのです。前倒しで行動し、実際に書類のチェックを受けたほうが良いケースもあります。

 

多くの厚生局は、月の中頃まで申請を受け付け、月下旬の社会保険医療協議会の都道府県部会で審議されます。問題がなければ翌月1日に保険医療機関に指定される形です。流れを覚えておけばある程度対処がとりやすくなります。また、保健医療期間に指定された場合はレセプトの提出などの業務も発生します。レセプトの現金化には時間がかかることもあるため、資金に余裕を作っておくことも大切です。

 

1ヶ月の開業の遅れは経済的に大きなダメージとなります。人を雇っている場合は給与の支払いなどで揉めるケースもあります。失敗ができないことを念頭に、何度もチェックを行う慎重さも必要になるのです。

 

開業に必要な届出や許可は多く、保健所や厚生局と連携することも大切になります。頭の中だけで理想を組み立てていても、担当者から許可をもらえなければ開業はできないからです。診療所や病院のレイアウトや必要な設備もチェックされるため、何度も足を運び調整を行うマメさが必要になります。

 

手続きの遅れが生じれば、それだけ開業が遅れ、収入を得られるタイミングが後ろズレします。人を雇っていれば経営者の責任となるため、人事ではすまないのもポイントです。常に当事者意識を持ち、リスクの芽を摘み取る努力が必要なのです。

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