開業と同時に医療法人を設立したほうがいいの?医療法人設立のメリットとデメリット

2017.07.25開業準備

開業と同時に医療法人を設立したほうがいいの?医療法人設立のメリットとデメリット

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医師が開業をする際に検討しなければならないことの一つに、組織をどうするかという問題があります。

 

個人事業として医院を経営するか、開業同時に医療法人を設立し法人としての経営にするかという問題です。

 

開業時は個人事業として、その後医療法人設立という方法もありますが都道府県への届出関係が二度手間になってしまうため、開業同時の設立をされている先生方もおられます。

 

そして、その決定のためには個人事業・法人事業としてのメリット・デメリットを理解したうえで選択することが必要となります。

医療法人のメリット

医療法人の場合は、先生は役員(理事・又は理事長)となり、その役員報酬は損金算入(経費処理)されます。さらにその役員報酬は給与所得として給与所得控除を受けることができます。そのほか、医療法人には理事3名および監事1名を置かなくてはならないのですが、その方たちの退任の際には退職金の支給をすることができます。

 

この退職金も役員報酬同様に、損金算入できますし、退職金に対しても在職年数などに応じて退職所得控除があります。そのほか事業継承の際、個人事業の場合は贈与や相続による継承となり税負担が必要となりますが、法人の場合は資産(医院の動産・不動産)は法人の持ち物となるためスムーズな事業継承が行われます。

医療法人のデメリット

個人事業と違い、法人を設立する際には登記費用などが必要となります。そのほかにも、決算ごとに都道府県への届出が必要となりその届出をする必要があります。次に社会保険(健康保険・厚生年金)に関してですが、個人事業の場合は従業員が4名以下の場合は加入を義務付けられていません。しかし、法人の場合は従業員の人数にかかわらず設立と同時に加入しなくてはなりません。

 

この負担についてはデメリットとなりますが、従業員を募集する際は社会保険完備ということは大きなメリットとなります。(雇用保険・労災保険については個人・法人ともに一人でも従業員を雇用した場合は加入しなくてはなりません)

 

このようなメリット・デメリットを踏まえうえで検討します。先生が開業をされる際には事業計画などの検討も必要になりますが、その際にアドバイスを税理士や会計士に依頼しようとお考えでしたら、税の知識のほかに医院の運営の際に必要となる社会保険や届出関係など広い知識を持った税理士などにご相談されることをおすすめします。

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