開業時に最初に雇うべき人材は誰か?職種別の役割と採用基準

2025.09.18クリニック開業の心得

開業時に最初に雇うべき人材は誰か?職種別の役割と採用基準

クリニックを開業する際、人材採用は資金計画と並ぶ大きなテーマです。限られた人員でスタートするからこそ、最初に誰を採用するかは、診療の質だけでなくクリニックの雰囲気や評判にも直結します。特に立ち上げ初期は、一人ひとりが幅広い業務をこなす必要があるため、経験だけでなく人柄や柔軟性も慎重に見極めることが大切です。

医療事務:クリニック運営の要

開業時に最も重視したいのが医療事務の採用です。
受付対応、レセプト業務、電話応対、会計など、医療事務は患者が最初に接する、クリニックの顔となる存在です。特に初診患者にとって、受付での対応はクリニック全体の印象を決定づける重要なポイントです。

経験者であれば、診療報酬や電子カルテに精通していることが期待でき、開業医の業務負担を大きく減らすことができます。採用時は医療事務資格の有無だけでなく、丁寧な接遇スキルやホスピタリティも重視しましょう。
採用の前に、「患者が緊張しているときに声をかけられるか」「予約変更の電話で柔らかい説明ができるか」など、コミュニケーション力を意識した面接を実施するといいでしょう。

看護師:診療補助と患者対応の両輪

医療事務と同様、最初に確保したいのが看護師です。診療補助はもちろん、採血・注射・問診・検査といった医療行為から、患者の不安を和らげる心理的サポートまで幅広く担います。
看護師は、医師と患者をつなぐ橋渡し役として非常に重要な存在です。慢性疾患を扱うクリニックでは、患者との信頼関係を築けるかどうかが通院の継続率にも影響します。

看護師には、幅広い経験を持ち、チームワークに優れた人物を採用するのが理想です。また、緊急時の判断力やコミュニケーション力も重要視したいポイントです。

臨床検査技師・放射線技師:設備との兼ね合いで判断

内科や整形外科、循環器内科など、専門性の高いクリニックでは、検査機器や画像診断装置の導入に合わせて臨床検査技師や放射線技師を採用するケースもあります。ただし、導入機器や診療内容によっては、検査業務を外部委託する選択肢もあります。
開業初期は固定費を抑えるためにも、外部委託と院内検査のバランスを慎重に検討することが大切です。

採用する場合は、採血から検査機器の操作まで幅広い業務を柔軟に対応できるかどうかを確認しましょう。

採用基準における人柄の重視

開業医にとって、職員の能力と同等、あるいはそれ以上に重要なのが、人柄です。小規模なクリニックでは、スタッフ同士の信頼関係とチームワークが円滑な運営の鍵を握ります。患者に安心感を与えられるコミュニケーション力や、状況の変化に柔軟に対応できる姿勢を持つ人材を選びましょう。

履歴書や職歴だけで判断せず、面接での表情や受け答えを重視しましょう。患者を想定したロールプレイなどを通じて、実際の対応力を見極めるのもいいでしょう。

まとめ

クリニック開業時に最初に雇う人材は、クリニックの雰囲気を方向付ける非常に大切な存在です。、単に職種を埋めるためだけでなく、人柄や、その人の持つ雰囲気で判断するといいでしょう。「どんなスタッフと働くか」は、「どんなクリニックになるか」を決める大きな要素です。
採用基準を明確にし、共にクリニックを育てていける仲間を見つけることが、安定した経営と信頼される医療サービスへの第一歩となります。

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