自動精算機をクリニックに導入するメリットとデメリット

2024.03.15クリニック開業の心得

自動精算機をクリニックに導入するメリットとデメリット

昨今は飲食店やスーパーマーケットだけでなく、医療機関や薬局における自動精算機やセルフレジの導入が増えてきています。この背景には、近年の感染症対策の一環として需要が高まったことと、働き手不足が要因として挙げられます。

今回は、クリニックに自動精算機を取り入れることで得られるメリットとデメリットについて、考えていきます。

自動精算機って?セルフレジって?

自動精算機とは、人を介さないで全ての会計処理が行える機械のことを指します。非接触で速やかに清算ができるだけではなく、現金・クレジットカード・電子マネーの決済機能も搭載されていることで、患者側の決済の選択肢も増え、金銭授受によるミスも防ぐことができます。

一方、セルフレジは人を介します。会計時にスタッフが対応し、説明などを行いますが、会計のほとんどは患者がセルフレジにお金と投入し釣銭を機械から受け取ります。支払方法によっては、スタッフが別対応することもあります。

ほとんどの自動精算機およびセルフレジは、電子カルテやレセコンとの連携が可能ですが、導入に必要な金額はそれぞれ異なります。自動精算機の金額の相場は約200万~300万円で、セルフレジは約100万円~150万円程度とされています。

自動精算機を導入するメリット

現金の授受の際のミスを防ぐ

従来は会計処理が計算が終わった順に呼ばれ、窓口で支払いをするシステムが一般的でした。しかし自動精算機を利用すれば、窓口担当者も対面で会計業務を行う必要がなくなりますので、会計時に起こりうる計算ミスがほとんどなくなります。

また、レセコンや電子カルテと連動するタイプであれば、返戻で起こる未収金や返金などの管理も自動精算機が管理してくれるので、スタッフの負担が大幅に軽減されるでしょう。

会計時の非接触により感染症対策となる

クリニックにおける受付・事務スタッフは、患者と近い立ち位置で接触する立場にありながらも、診察室と同じような感染症対策をとることは難しく、院内感染の予防は切実な問題として捉えられていました。

自動精算機が導入されることで、受付・事務スタッフと患者が直接的に接触する機会が減りますので、感染症対策としては非常に有効だと考えられています。

スタッフの締め作業の軽減

一日の業務を終え最後の患者が帰った後、最も時間と手間がかかるのが、レジの締め作業といっても過言ではありません。レジからレシートを発行し、その日の売上金とレジ金を計算します。多くのクリニックにおいて金銭の確認は二名以上で行われますが、金額が合わなければさらに複数のスタッフを巻き込み、原因を追及することになります。現金受け渡しのミスが原因であれば、スタッフ同士のトラブルにも繋がり兼ねません。

このような手間とトラブルを回避するためにも、自動精算機の導入は大変有効です。

自動精算機導入のデメリット

自動精算機の導入における最大のデメリットは、それにかかる費用です。導入する機種によりますが、初期投資に数百万円かかる場合が多いようです。また、自動精算機の耐用年数は約五年とされており、導入したらずっと使えるわけではありません。保守していくためのランニングコストもかかります。

現在、自動精算機の導入に適用可能なさまざまな補助金や助成金が用意されていますので、うまく活用していくことも重要でしょう。

自動精算機の選び方

自動精算機か、セルフレジか。電子カルテやレセプトと連携できるか。一日の来院患者数と予算規模に見合うか。クリニック内に設置できるサイズか。あらゆる観点から自院に合う自動精算機を選びましょう。

例えば、コンパクトなタイプの自動精算機であれば釣銭が切れるタイミングが早く、大型のタイプであれば設置スペースで悩むなど、一つ一つの商品に長所と短所がありますので、すでにシステムを導入している他院の意見なども聞いてみるといいでしょう。

まとめ

医療サービス以外で対応に時間がかかっていた会計を自動精算機に任せることで、スタッフだけでなく、患者にも多くのメリットをもたらすことでしょう。

自動精算機導入には費用がかかりますが、現在様々な補助金や助成金も用意されていますので、開業時や開業後のタイミングなど、それぞれのご都合に合わせて導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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