2022.04.27クリニック開業の心得
医療機関で患者の治療をするためにはカルテが必要です。昔は、医師が直接紙のカルテに書き込む方法が、多くの医療機関で採用されていました。現在も一部でまだ紙のカルテを使っているクリニックもあるようですが、多くの医療機関が電子カルテに移行しています。
それでは、実際に電子カルテにはどのようなメリットがあるのでしょうか?電子カルテの導入を考えている医療機関の方のために、電子カルテのメリットと、同時にデメリットについても確認していきましょう。
ここでは、多くの医療機関で導入されている電子カルテのメリットについて紹介します。
電子カルテを利用すると、薬の名前や病名など頭文字を数文字入れるだけでさまざまな候補が出てくるため、名前の書き間違いを防ぐことができます。また、パソコンで入力するため、「字が読みにくくて間違えてしまった」というような医療過誤を防ぐことができます。
あらかじめ決められた項目に入力することで、どの患者も同じフォーマットの情報をまとめることができ、誰が見てもわかりやすく管理できます。患者のデータを更新した場合も誰がいつ入力したかを確認することができますので、ミスの予防が期待できます。
コンピューターで処理できる部分を自動化することで、診察や会計までの作業を減らし、患者一人あたりにかかる時間を大幅に短縮することができます。
紙カルテのように、医師からスタッフへ手渡すといった作業や時間を減らすことができ、紛失の可能性も少なくなります。
大変利用価値の高い電子カルテですが、デメリットとなる側面もあります。導入の際はデメリットを理解した上で活用方法を考えていきましょう。
パソコンの扱いに不慣れなスタッフの場合、電子カルテの機能を使いこなせるようになるまでに時間がかかる場合があります。また、新しいスタッフに電子カルテの操作を教育する必要があるため、別途コストがかかることも考えられます。
停電になったり、サーバーに不具合が起こったりした場合は、利用できなくなることがあります。急に電子カルテが利用できなくなると、診察に支障が出るだけでなく、会計もできなくなるため、患者に迷惑がかかってしまいます。事前にトラブルが起きた場合を想定し、準備をしておくことが必要です。
電子カルテを利用するためには、システムを導入するためのイニシャルコストや、維持するためのランニングコストが必要になります。さらに、患者のデータを守るためのセキュリティ対策にも費用がかかるでしょう。
医療機関を経営していく上で、電子カルテの導入は必要不可欠です。あらゆるミスの防止や患者サービスの観点からも、メリットとデメリットを踏まえたうえで、最適な電子カルテを選択してください。