2022.03.30クリニック開業の心得
医療広告ガイドラインが2018年6月に改定され、それまで対象外とされてきたウェブサイトについても医療広告に含まれることになりました。広告規制に違反すると罰則が課せられることがあるので注意をしなくてはいけません。
今回は、医療機関がホームページを制作する際に知っておくべき禁止事項について解説していきます。
医療機関で広告される禁止事項には次のようなものがあげられます。
「100%安全な手術です!」「難しい手術でも必ず成功します!」などの文言は、それだけで虚偽広告として扱われます。絶対にミスのない治療など、医学的にあり得ないためです。
治療後に通院が必要であるにもかかわらず「一日で治療が終了します」などと表現している場合も、虚偽広告と見なされます。
「満足度〇%」のように、データ収集の方法や根拠を提示することなく結果だけを掲載している場合も、虚偽広告として扱われます
一部の公的に認められた医療機関を除き、医療機関の名称として「〇〇センター」と記載することは禁止されており、違反した場合は誇大広告と見なされます。
「無制限」「〇〇し放題」などの表記によって誤った印象を与える可能性がある場合、それが必ずしも虚偽ではない内容であっても、医療広告としては不適切であり、誇大広告として扱われます。
「〇〇療法はガンの治療に有効です」等、充分な科学的根拠がない情報を用いて受診を誘導するものは、誇大広告として取り扱われます。
「医療広告ガイドラインを遵守しています」と過度に強調しているホームページは、誇大広告として扱われます。ガイドラインに沿ってホームページを制作することは、医療機関の義務であり、とりたててアピールするべき事実ではないからです。
他院よりも優れているといった広告は、患者に誤認を与える恐れがあるため、「日本一の実績」「県内有数の症例数」「地域ナンバーワンの執刀実績」など、最上級をアピールする表現は禁止されています。
「◯◯(著名人)は当院で治療を受けました」「◯◯(著名人)もこの治療をおすすめしています」等、医療機関と著名人との関係を強調することは禁止されています。
患者自身や家族による主観的な体験談を広告として使用することは禁じられています。口コミサイトからの転載も同様です。
医療広告では治療前と治療後の比較写真も禁止されています。治療内容や効果は個々の患者の状態によって異なるため、患者に事実を誤認させる恐れがあるからです。
ただし、治療内容や費用、リスク、副作用などの詳細を併記するなど、誤認を与えない対応をとっている場合は、この限りではありません。
正しい広告表現をすることは、患者はもちろん、自院を守ることにも繋がります。特に美容医療に関しては、誇張広告による消費者トラブルの相談件数が増えていると報告されています。
トラブルを事前に防ぐために、ホームページ担当者は常に情報を集め、自院のホームページが医療広告ガイドラインに準拠した表現をしているか、定期的に見直すことが必要でしょう。