2022.03.17クリニック開業の心得
医療機関の内部には、高額の医療機器が備えられています。患者から受け取った金銭はもちろん、一般の人には入手しにくい薬品や、取り扱いに注意の必要な医療用品もあります。それに加え、患者の個人情報も扱っています。
診療時間内であれば院内に患者やスタッフがいますが、夜間や長期の休みになると無人になることも多いため、盗難や空き巣などの被害に遭わないよう、外部からの侵入には充分に注意しなくてはいけません。他にも、無断駐車やいたずら、患者とのトラブルも起こります。
問題が発生した際に適切な対処をするために、あらゆる事態を想定して、充分に備えておくことが必要です。ここでは、患者やスタッフ、そして大切な財産を守るために、自院でどういった防犯対策ができるのかを考えていきましょう。
医療機関向けの防犯対策にはどんなものがあるかを紹介していきます。
防犯カメラは窃盗や盗難の予防に加え、患者とのトラブル対策にも役立ちます。
防犯カメラの効果的な設置場所は、受付・駐車場・入り口などです。多くの人が利用する場所に設置することのより、犯罪そのものを抑止する効果も期待できます。
従業員が利用する休憩室や、薬剤の保管室にも防犯カメラを設置しておきましょう。従業員同士のトラブルや薬剤の紛失も未然に防ぐことができます。
防犯カメラよりもセキュリティを強くするために必要なのは入退室管理です。セキュリティ会社が提供している入退室管理システムは「だれが」「いつ」その場所に出入りしていたかを記録することができるため、防犯はもちろんあらゆるトラブルに対応できます。
入退室管理システムは、設置に工事が必要なものもありますが、簡単に設置することができるものもあります。費用をできるだけかけたくない方は、レンタルなどや短期間で契約できるサービスもあります。
クリニックの防犯の基本は、入退室の際の施錠です。毎日のように鍵の開閉を行うからこそ、非常に重要なポイントになります。
従来通りスタッフが鍵を管理する方法もありますが、無くしてしまったり、複製されてしまったり、退職後になかなか返してくれなかったりと防犯上のリスクが伴います。また一般的な鍵は比較的簡単に開錠できるため、空き巣にも狙われやすくなります。
従来型の鍵ではなく、暗証番号やICカードを利用するキーレス錠を導入するクリニックが増えています。スマートフォンで開閉するスマートロック(IoT鍵)も選択肢のひとつとなるでしょう。ICカードやスマートフォンを使った鍵であれば、コピーを防ぐことができ、スタッフが辞めてしまったあとに使用を制限することも容易です。
【参考サイト】 ALSOK 病院・クリニック向け防犯コンサルティング
防犯カメラの設置や入退室管理を徹底することで、あらゆる犯罪を抑止する効果を期待できます。実際にトラブルが発生する前に、セキュリティの重要性を認識し、対策をとっておきましょう。