待ち時間を緩和する診療予約システムの種類と選び方

2022.03.07クリニック開業の心得

待ち時間を緩和する診療予約システムの種類と選び方

予約システムの普及とともに、クリニックの待合室が患者で溢れかえる場面を見ることは少なくなってきました。身体的な不調を抱える患者を長く待たせないためにも、また感染症対策のためにも、診療予約システムの導入は、クリニック開業の際の必須事項となってきています。

今回は、予約システムの種類や選び方について紹介しましょう。

 

診療予約システムの種類

クリニックの予約システムは大きく二種類に分けられます。ひとつが順番予約、もうひとつが時間帯予約です。

順番予約システム

先に連絡を入れた患者から順番に予約が入るシステムです。多くの場合はインターネットや電話を介して予約可能ですが、オンライン予約ができない高齢者のために、直接来院して窓口で順番をとる方式をとっているクリニックもあります。

予約をすると1番、2番と番号がつき、自分の順番まであと何人かを把握できます。繁華街にあるクリニックなら、周辺で時間をつぶしながら診察を待つこともできるため、特に若い年代の患者にはメリットの大きいシステムです。
ただし、多くの予約が入っていると、自分の診察がいつ頃になるかわからないというデメリットもあります。

時間帯予約システム

患者の都合のいい時間帯に予約を入れてもらうシステムです。9時から、10時からなど時間帯ごとに予約を受け付けるため、クリニックにとっても患者にとっても来院のタイミングを把握しやすく、待ち時間が少ないのがメリットです。

ただ、患者の遅刻や診療の遅れで予定通りに進まなかった場合、その後の患者の診察に遅れが生じ、クレームに繋がることもあります。

 

自院に合った診療予約システムの選び方

予約システムを選択するためのポイントはいくつかあります。

電子カルテやレセコンなど、予約以外の業務との連携で選ぶ

電子カルテやレセコンと連動している予約システムがあります。予約から会計までを同一システム上でスムーズに処理できるため、ミスを防止し、窓口業務の軽減にも役立ちます。初診の患者にオンラインで問診票を入力してもらうことができるシステムや、再診時は患者自身で受付処理が行えるシステムなど、各クリニックのニーズに合わせて選択することができます。

操作性で選ぶ

患者はスマートフォンやパソコンを使用して予約をします。デジタル機器を使い慣れない患者もいますので、アプリの操作性は非常に重要です。予約画面の操作が複雑だと、患者が離れていくことも考えられるからです。一度のクリックで予約システムが起動するか、操作画面が視覚的にわかりやすいか等、操作する側の立場になって実際にシステムを使ってみることが大切です。

当然、クリニック側の操作性についてもしっかりと吟味しておきましょう。

導入後のアフターフォロー体制を重視して選ぶ

診療予約システムを導入したものの、きちんと使いこなせない・・・そのような事態を防ぐためにも、販売会社のフォロー体制をしっかりと見極める必要があります。導入時の丁寧な指導はもちろんですが、トラブルがあった時の対応こそが非常に重要なポイントになります。
システムエラーは業務に大きな支障をもたらします。予約システムがうまく作動しなくなるなどのトラブルが発生した時に、即時対応してくれるのか、どのような対応をしてくれるのかを、事前に確認しましょう。他のクリニックに評判を聞くのもいいでしょう。対応のいいシステムと販売会社を選ぶことで、安心してクリニック運営に専念できます。

料金を比較して選ぶ

多くの診療予約システムは、導入時にかかる初期費用の他に月額費用もかかります。無料で導入できるものや、年間契約できるものなどさまざまなプランが用意されているため、自院に必要なシステムがどの程度の料金で導入できるのか、比較して検討しましょう。

 

まとめ

医療機関になくてはならない存在となってきた診療予約システム。順番予約、時間帯予約それぞれにメリット・デメリットがあるので、自院に合わせた予約システムを選んでいきましょう。また、システムがうまく作動しない時のフォロー体制についても、システム販売会社に確認しておきましょう。

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