2021.11.11クリニック開業の心得
クリニックの診療時間はどのように決定するべきでしょうか。他のクリニックに合わせればいいのでは?と安易に考える方もいるかもしれませんが、本当にそれでいいのでしょうか。
診療時間は集患に大きな影響を与えます。ここでは、患者の利便性を考慮しながら診療時間の設定について考えてみましょう。
患者は何を基準にクリニックを決めるのでしょうか?家や駅に近くて通いやすいクリニックであること、そして自分の通いたい時間に空いているクリニックであることは、必要最低条件ではないでしょうか?クリニックの診療時間を決めるためには、まず自院にどんな層の患者が来るのかを考えてみましょう。
来院される患者は、サラリーマンが多いですか?子ども連れが多いですか?ビジネス街にあるクリニックであれば当然サラリーマンが多いでしょうし、住宅街にあるクリニックにはファミリー層が多いなど、立地により患者の傾向も異なっていきます。どのような患者が来院するかを具体的に想定し、そのターゲット層に合わせて診療時間を決めていきましょう。
競合するクリニックに合わせて診療時間を調整することも必要です。まず周辺のクリニックが診療時間をどのようにしているか調査し、できれば、その時間以外に診察時間を設定しましょう。具体的には、競合するクリニックの休診日が水曜日であれば、自院の休みは他の日に変える等の工夫があるといいでしょう。診察時間が合わずに既存のクリニックに通えなかった患者も、これによって来院しやすくなります。
クリニックの場所に合わせた診療時間の設定について、具体的に紹介していきます。
仕事の合間に来院される方が多いため、昼休みに診療時間の設定をすると利便性が高まります。また、仕事が終わった後にも来院できるように、夜間診療の時間を設けておくことも必要です。
駅前など交通の拠点となる場所にクリニックがある場合、立地を活かし、仕事や学校帰りの患者が立ち寄りやすい時間帯に診療時間を設定するといいでしょう。帰宅時間に合わせるために、遅くまでクリニックを開けている必要があります。
特に心療内科・歯科・皮膚科などは、帰宅の道中に立ち寄りやすい科目とされています。
住宅街の場合、クリニックの立地によって患者の層は異なります。高齢者が多い場合は、午前中の早い時間に患者が集中するため、午前8時頃からあけているクリニックもあります。小さな子どもが多い立地なら、予防接種専門の時間帯を設けておくと、健康な方も来院しやすくなるでしょう。
地域によっては日曜日診療の需要も見込めます。近隣に日曜日にあいているクリニックがない場合、多くの患者さんに必要とされるでしょう。
診療時間をクリニックの立地に合わせて設定すると、患者さんの数は大きく変わります。開業後に患者の少ない時間帯があれば、診療時間を短縮したり、変更したりすることも必要です。臨機応変に対応していきましょう。