医療モールで開業するメリット・デメリット

2021.07.16クリニック開業の心得

医療モールで開業するメリット・デメリット

同じ建物やエリアのなかに、診療科の異なる複数のクリニックと調剤薬局が集合しているスタイルを、医療モールと呼びます。

医療モールでのクリニック開業には、具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

医療モールで開業するメリット

医療モールには個人で開業するのとは違ういくつかのメリットがあります。

他のクリニックと一緒に協力しあえる

医療モールでは複数の診療科が開業しているため、患者さんを紹介しあったり、治療について相談しあうこともできます。お互いに連携を図ることで、より質の高い治療を患者さんに提供することができます。

初期費用を抑えられる

同じ場所に集まっているため、開業にかかる初期費用が軽減されます。医療ビレッジなら駐車場や看板など、医療ビルや施設併設型ならトイレや待合室なども、他のクリニックと共有できるからです。診療圏調査など開業前に必要なリサーチ結果を共有することができる場合は、さらに費用を削減できるでしょう。

集患しやすい

クリニックが集まることで必然的に目立ちやすくなり、個人開業と比べて認知度が高まります。また商業施設やオフィスビルに併設される医療モールであれば、もともとその施設が持つ集客力が、クリニックの集患に大きく影響します。
患者さん側にとっても、同じ場所にクリニックが集まっているため、複数の診療科に通いやすく、集患の相乗効果を見込めます。

開業や経営の負担を軽減できる

医療モールは通常、医療コンサルティング会社など医院開業の専門家が運営しています。そのため、開業時の資金繰りや諸手続きはもちろん、経営や集患の相談にも乗ってくれます。広告宣伝やスタッフの教育、医療機器の選定など、クリニックの経営上あらゆる場面でアドバイスを受けることができ、医師は自分の仕事に専念することができます。

医療モールで開業するデメリット

医療モールで開業するデメリットについても知っておきましょう。

他のクリニックとコミュニケーションが必要になる

同じ場所で営業するクリニックと連携をとりあう必要があります。患者さんの情報を提供したり、意見を交換する機会もあるでしょう。時には、自院の考えに沿わないことでも、周りのクリニックに合わせる必要も出てきます。
他のクリニックとのコミュニケーションがうまくいく状況であれば問題にはなりませんが、場合によっては大きなストレスになることもあるでしょう。

周囲のクリニックとのコミュニケーションが円滑にできない時は、コンサルティング会社に仲介を依頼することになります。

他院の評判の影響を受ける

同じモール内の他のクリニックに問題が起きた場合、その影響を受けることがあります。一つでも評判の悪い医院があれば、医療モール全体の印象が悪くなってしまうことも考えられます。

開業を決定する前に、他のクリニックや医師について情報収集しておくことで対策できますが、後から参入するクリニックについては為す術がないと言えます。

まとめ

医療モールでのクリニック開業は、ひとえに、他院との連携を活かせるかどうかでその成否が決まります。仲介役となるモールの運営者やコンサルティング会社が、その鍵を握りますので、事前の打ち合わせを綿密に行い、安心して任せることができるか吟味しましょう。

 

Pick up

クリニック開業後の経営状態も左右する、開業コンサルタントの選び方
コンサルタント特徴と、選定のポイントを紹介。依頼できるサポートは、たくさんあります。