2020.02.21クリニック開業の心得
従来の診察予約は、電話によるものがほとんどでしたが、現在はインターネット予約が主流となりつつあります。
インターネットを利用した診察予約システムを導入すると、集患効果や業務効率化など、さまざまなメリットが得られます。患者さんにとっても利便性の高いものですので、ぜひ開業時に導入したいところです。
この記事では、診察予約システムについて分かりやすく解説します。
診察予約システムを導入すると、主に3つのメリットが得られます。
患者さんがホームページを見たときに、受診しやすい医院だと判断してもらえることが大切です。
具体的には、トップページに予約ボタンを配置し、診察予約システムに誘導することで、患者さんは「指定した時間に行けば、待たずに診療が受けられる」と判断し、受診へのハードルが大きく下がります。
クリニック選びについても、受診前にホームページで比較検討する方が増えています。診察予約システムを導入したホームページで、受診のしやすさをアピールすることで、大きな集患効果が見込めるのです。
診察予約システムには、シンプルに順番取りができるものや、日時や診療内容を選べるものがあります。採用するシステムにもよりますが、診察時間外でもネットで予約や順番待ちが登録できるシステムを導入すれば、予約管理の業務効率化ができます。
近頃は、電子カルテと連携できる診察予約システムも登場しているため、業務効率化を求める方も、是非導入を検討してみましょう。
患者さん自身、混み合う時間帯の受診は避けたいものです。長時間の待合は院内感染のリスクにも繋がります。患者さん側からも混雑状況を把握できる診察予約システムを導入することで、比較的空いている時間の受診を促すことが可能となり、予約の集中を避けることができます。
混雑の山を平坦化することは、受診環境の改善にも繋がります。医師やスタッフなどの精神的な余裕も生まれ、患者さんへの対応力も上がるでしょう。
診察予約システムは、自社で開発する方法と専門業者のサービスを利用する方法があります。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。
最も簡単な方法は、公開したメールアドレスで随時予約を受け付ける方法です。しかし、常時メールを確認する必要があったり、急な予約に対して対応が難しいケースが想定されるため、現実的な運用には向いていません。
次に考えられる方法は、専用フォームから日時を指定して予約する方式です。カレンダーを使用して翌日以降を選択できるように設定すれば、急な予約を防ぐことができます。しかし、予約枠を導入したい、1時間当たりの受入患者数を設定したいという要望が増えるほど、複雑なシステムが必要となり、開発コストが上がります。
院長自身がプログラマーでない限り、自社開発は難しいケースが多いです。
専門業者が提供しているサービスは、クリニックの導入事例から日々改善を繰り返されています。クリニックに特化した診察予約システムも複数登場してきており、複雑な予約管理も行えるようになりました。
このような専業業者が提供しているサービスは月額制が多いですが、3,000円~15,000円程度と比較的安価なため、導入しやすくなっています。
新たにクリニックを開業する際には、開院当初から診察予約システムを導入することをおすすめします。
診察予約システムを導入すると受付業務フローが大きく変わります。途中で切り替わると、患者さんにもスタッフにも混乱を与えることになります。開業後に診察予約システムを導入しようと試みるクリニックの中には、受付業務の大きな変化を恐れるスタッフから反対を受け、導入を見送るクリニックもあるようです。
このような状況を踏まえると、開業当初から診察予約システムを導入することが最善と言えるでしょう。
診察予約システムを導入することで、患者さん側・クリニック側の双方に大きなメリットがあります。それぞれのクリニックに合ったシステムを導入することで、集患と受付業務の効率化に繋げましょう。