開業ガイド

2016.09.26不動産・物件

開業前に決めるべき方向性 標榜科別 物件トレンドはこれだ!

クリニックを開業するにあたり、それぞれの専門性を活かした診療内容を検討していると思います。でも、実際に開業するためには、今の時代に見合った、標榜科ごとの「トレンド」もおさえておきましょう。
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内科
内科は、勤務医もクリニックの開業医も、日本で一番多い標榜科です。整形外科や眼科に比べると、開業資金はそれ程多くはありませんが、開業しようとするエリアには必ず、既存のクリニックが複数あると考えて良いでしょう。その中で新たに開業するからには、「他院との差別化をどうはかるか」がポイントになります。
例えば、地方であれば最新の医療機器をそろえることも必要かもしれません。逆に都会であれば、例えば糖尿病専門、あるいはアレルギー疾患専門など、専門性を前面に出すのも良いでしょう。また、現在は高齢化社会であり、在宅療養が推奨されていますので、エリアによっては在宅診療の需要が非常に高いこともあります。

外科
外科の場合、クリニックに勤務する医師数は内科ほどではありませんが、全国で3,700人以上いるといわれています(厚生労働省統計より)。日本全国、どのエリアでも競合となる既存のクリニックが存在していると考えて良いでしょう。
その中で差別化を図るのであれば、最新の医療機器を備えるという方法がありますが、その場合は開業資金が高額になることは否めません。
また、外科は内科とは違い、新患がそのまま継続して来院することは少なく、つねに新患獲得を目指す必要がありますので、クリニックの特徴をアピールし続けるような宣伝を続けていくことが必要になります。

脳神経外科
脳神経外科のクリニックは専門性が高く、競争相手が少ないという特徴があります。特に地方であれば、需要のわりに競合が少なく、宣伝するエリアを広げるほど、新患獲得に結び付きやすくなります。ただし、脳神経外科の診療内容は年々高度化しており、クリニックだけで対応が難しい場合の協力医療機関との連携がとれるかどうかがポイントとなります。人的な結びつきもありますが、地理的な問題もクリアしておく必要があります。
また、開業当初からCT、MRIなどの高額医療機器をそろえる必要がありますので、開業資金は高額になります。さらに、ビル内のテナントでの開業を考える場合、高額医療機器の重量も計算しておきましょう。

整形外科
整形外科の場合、比較的クリニックの数も医師の数も多いので、競合が近くに開業している可能性があります。その中で差別化を図ろうとすると、開業当初から高額な医療機器をそろえたくなりますが、まずは診療内容の方向性をきちんと決めておくことをお勧めします。例えば、リハビリテーションに力を入れるのであれば、高額な医療機器よりも、リハビリテーション用の設備と、ウデの良い理学療法士がいれば十分です。
また、開業エリアの選択もポイントとなります。例えば都会であれば駅から近いところ、郊外であれば広い駐車場を確保できる土地などの方が、患者さんが通いやすくなりますので、継続受診する患者獲得が望めます。

小児科
小児科での開業を目指すのであれば、一番のポイントは「どこに開業するか」です。そのエリアに小児はどれくらいいるのか、競合となる小児科クリニックはどれくらいあるのか、それぞれの評判はどうか、母親と子供たちだけで通いやすい立地にあるのかなど、エリアマーケティングが開業成功のカギを握っているといっても過言ではありません。
小児科の開業資金は、特別な医療機器を導入しなければ、比較的安価です。ただし、感染症拡大を予防する隔離室、子供たちが退屈しないで順番待ちができるキッズルームなど、クリニックの構造や内装に気を遣う必要があります。

産婦人科
産婦人科を標榜しつつ、分娩を行わないクリニックが増えています。厚生労働省の統計によると、分娩を行わない産婦人科の医師数は4,000人を超えており、前述の外科よりも多いことになります。産婦人科クリニックの成功のカギは、女性医師がいるかどうか。男性が開業する場合は、スタッフの1人として女性医師を雇用することを前提に考えましょう。
また、他院との差別化の1つとして、不妊治療に特化するクリニックも増えています。不妊症の治療を中心に行うことも必要ですが、例えば母子2代が通えるような、女性による女性のための「何でも相談できるクリニック」も、最近では増えています。

眼科
眼科は、開業クリニック数が比較的多いため、どのエリアにもすでに競合がいる可能性があります。エリアやターゲットに関するマーケティングを行い、方向性を見極めることも必要です。
開業資金は比較的高額ですが、高齢者に多い白内障手術などをメインとするのか、メガネやコンタクトの処方をメインとするのかによって、設備投資費用が変わってきます。また、子供の視力矯正などに対応できるよう、医療機器や専門スタッフをそろえることも、差別化の1つの方法になります。

耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科は、あらゆる年齢層の患者が対象となるため、クリニックに特徴を持たせることもポイントになります。例えば花粉症などのアレルギーに強いとか、子供の診療に力を入れるなどです。それによって、開業するエリアを絞り込むことができます。
ただし、花粉症の時期にはクリニックが非常に混雑することが予測できますので、電話やインターネットによる予約システムを最初から導入することも、成功のカギになります。

泌尿器科
泌尿器科は、開業資金はそれなりに高くなりますが、高齢化が進む現在の日本では、今後も需要が高くなる診療科の1つです。泌尿器科の患者さんは、一度そのクリニックを気に入れば、継続的に受診します。実際に開業している医師数が少ないことからも、競合が少ない科であるといえますし、現在、泌尿器科での開業を目指している人にはチャンスかもしれません。特に高齢化が進む地方であれば、需要は今後も増えていくでしょう。
ただし、クリニックの構造については、プライバシーに十分留意する必要があります。

皮膚科
皮膚科は、クリニック数や医師数が比較的多いため、開業する立地がポイントになります。また、一般的な皮膚科診療とするのか、美容皮膚科診療とするのかによって、開業資金は大きく変わってきます。美容皮膚科診療は基本的に自由診療となることが多いので、保険診療がメインなのか、自由診療がメインなのか、それぞれのバランスを重視するのか、開業前に十分検討しておく必要があります。

美容外科
美容外科は、その需要を考えると、やはり全体的に大都市に集中する傾向にあります。繁華街の近くや都市部への開業を考える際は、既存クリニックとの差別化を十分に検討しましょう。美容外科は基本的に自由診療ですが、皮膚科の一部で行われる「美容皮膚診療」とも重複する部分がありますので、エリアマーケティングを十分に行う必要があります。
美容外科の医療機器は基本的に高額です。しかし最新の医療機器をそろえておくことで、クリニックの印象がよくなりますので、なるべく最初からそろえておくと良いでしょう。

診療内科・精神科(メンタル)
メンタルヘルスに関する診療科は、クリニック数・医師数ともに比較的少ない方ですが、ここ最近増加傾向にあります。特に都市部などに集中する傾向があります。
開業資金は少なくて済むのですが、プライバシーに十分配慮した立地(入口が目立たないところにある、2階以上の高層にあるなど)や内装(リラックスできる色合い、他の患者と顔を合わせる機会が少ないなど)に気を配る必要があります。

人工透析
ここ最近、患者数の増加とともに需要が高まっているのが、人工透析を行うクリニックです。開業時の資金は非常に高額になりますが、人工透析を受ける患者さんは継続的に通院してくるという特徴があります。
ただし、例えば循環器内科や泌尿器科が、人工透析を行っていることもありますので、エリアマーケティングは非常に重要です。他院との差別化を図るためには、血管疾患やシャント増設に対応できる優秀な医師がいるだけではなく、患者さんを送迎するなどのサービスも必要になります。

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