開業ガイド

2016.05.25不動産・物件

院内施設について考える クリニックに必要な施設とは

クリニック開業に向けて、院内にはどのような施設があるべきか、ある程度の方向性はあります。必要な院内施設について考えてみましょう。

資料

バリアフリーな動線

商業ビル内のテナントでも、独立した建物でも、バリアフリーな動線を考えることは必要です。
段差がある場合はスロープも併設する、車イスで移動できる幅の廊下、車イスが出入りできる幅のドアなど、安全性と快適性を備えた「患者の動線」を予め検討しておきます。設計の段階で図面を見ながら、実際の動線や移動スペースの幅などを、十分に検討しておきましょう。

広くて明るい、くつろげる待合室

患者は、クリニックに来院するだけで緊張してしまう人もいます。
入口を入ってすぐの待合室は、十分なスペース、くつろげるイス、適度に明るい照明などを取り入れ、リラックスできる空間を演出します。
例えば、明るくリラックス効果のある色の壁、適度な明るさの間接照明、シックな色合いのすわり心地の良い椅子、参考資料や週刊誌などを備えた本棚、インフォメーションやテレビ番組(ビデオでも可)を流すための大型テレビなどを、十分な広さの待合室に配置します。

診察直前の患者が待つ中待合室

これは必須ではありませんが、ある程度の広さの中待合室は、診察を待つ患者にとって準備ができる場所でもあります。
診察室のすぐ前に設置しておけば、患者の入れ替えもスムーズになります。
例えば、小児科の場合は子どもの衣服を診察しやすい状態に出来ますし、高齢者が多い診療科でも同様です。

プライバシーに配慮した診察室

診察室と中待合室(あるいは待合室)の間には、多少なりとも防音効果のあるドアを設置すると良いでしょう。
中の様子が伺えない、診察中の声がもれないなど、プライバシーに配慮した構造にすれば、安心して診察を受けることができます。
ただし、子どもの患者の出入りが多い診療科では、厚くて重いドアにしてしまうと、子ども達が手や指を挟んでしまう可能性もありますので、中が透けない程度の厚さのカーテンでも可能です。車イスを利用するような高齢者が多い診療科でも同様です。
診察室はある程度の広さを設け、医師や看護師が動きやすい空間とします。電子カルテを導入する場合は、カルテの画面が入口に向かないように配慮します。

必要な処置を行う処置室

身体測定、採血、必要な処置などを行うところです。診療科によって、必要な広さや設備は変わりますが、無機質な棚や医療材料などを配置することになりますので、壁の色やイスの色などにもある程度の配慮は必要です。
整理整頓しやすく、動きやすいスペースをつくりましょう。
水回りを配置することもありまので、衛生面も十分考慮しましょう。

また、点滴を必要とする患者が想定される場合は、診察台や点滴台なども、十分な数を配置する必要があります。
処置や検査を待つ患者にも配慮し、待合用のイスも予め準備しておきましょう。

医療機器による検査を行う検査室

診療科にもよりますが、例えば心電図検査や超音波検査などを行う予定であれば、それぞれ独立した部屋を準備します。
部屋として区切ることが難しい場合は、診察台をぐるりと囲むカーテンを利用し、患者のプライバシーには十分な配慮をします。
内視鏡検査を行う場合は、専用の部屋と前室を用意し、患者の更衣や前処置を行うスペース、患者の衣服などを収納するロッカーなどを配置しましょう。また、内視鏡の洗浄や乾燥・消毒を行う専用スペースも必要です。

日帰り手術に対応した手術室

日帰り手術を予定する場合は、手術室が必要となります。手術をする部屋の他、滅菌器械や医療材料などを保管する部屋も併設します。
手術室内の棚を利用することもできますが、1日に数件の手術を行う場合、次の手術用の器械を広げる、十分なスペースが必要です。
また、器械の洗浄や乾燥、オートクレーブ滅菌器などを置く部屋も必要となります。
この時、水回りと滅菌物を保管する部屋は、分けることが鉄則です。
清潔度は、
1.手術を行う部屋
2.滅菌物を保管する部屋
3.器械洗浄などを行う部屋

という順番で高くなります。

子どもの来院が予測されるならキッズスペース

小児科だけではなく、耳鼻咽喉科や皮膚科、整形外科、眼科などでも、キッズペースは有効性が高くなります。
また成人を対象とする科でも、母親と一緒に子どもが来院することが想定される場合は、ある程度のスペースを確保しておくと良いでしょう。
子どもが読める絵本、ぬいぐるみ、誤嚥しないサイズのブロックやおもちゃなどを準備しておきます。
スペースによっては明確に分ける必要はなく、滑らないタイプのフロアマットで区切るだけでも良いでしょう。
設置する場所としては、待合室が望ましいでしょう。

資料

いかがでしょうか。診療科や患者数の想定などによっては、必ずしもこの通りではありませんが、医療者にとって働きやすいだけではなく、患者が「また受診したい」と思える、院内施設を整えておくことは、クリニック成功のカギになるかもしれません。

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