インターネット上にクリニックの悪いクチコミを書かれてしまったら

2025.05.29トレンド・ニュース

インターネット上にクリニックの悪いクチコミを書かれてしまったら

「受付の態度が悪かった」「診察が雑だった」「二度と行きたくない」
ある日突然、インターネットのクチコミサイトに、クリニックに関する否定的な書き込みが投稿されていることに気付き、動揺した経験のある院長も多いのではないでしょうか。

どれだけ丁寧に診療していても、全ての患者に満足してもらうことは困難です。しかし、インターネット上の悪いクチコミは、他の見込み患者に与える印象も大きく、放置しておくと集患はもちろん、クリニックの評判に影響する可能性もあります。
では、悪いクチコミを書かれてしまった時、どのように対応するのがベストなのでしょうか?今回は、インターネット上に自院の悪いクチコミを書かれてしまった際の、有効な対応方法について考えていきます。

まずは感情的な反応を避ける

悪質なコメントや事実と異なる内容を見た瞬間、怒りや悔しさが込み上げるのは当然です。しかし、経営者として最も避けるべきなのは、感情に任せて反論することです。
SNSやクチコミサイトは、誰でも閲覧することができる、いわば公共の場です。院長本人が反論コメントを投稿したり、相手に対して攻撃的な姿勢を取ったりすると、かえって評判を悪化させてしまうリスクがあります。
まずは一度深呼吸し、感情を抑え、いかに信頼回復していくかを軸に考えるようにしましょう。

クチコミの内容を冷静に分析する

クチコミには、大きく分けて以下の3種類があります。

1. 事実に基づいたネガティブな意見
例:「受付で長時間待たされた」など

2. 感情的・一方的な主張
例:「最悪な医者」「無愛想だった」など

3. 虚偽や悪意ある投稿
例:事実ではない虚偽の投稿をされたなど

まずはどのタイプの書き込みかを見極め、事実に基づく改善点がある場合は、素直に受け止める姿勢が重要です。たとえ誤解に基づいた書き込みであっても、患者側がそう感じた事実には一定の意味があります。

適切な返信コメントで印象を回復する

Googleビジネスプロフィールなど、院側から返信ができる仕組みがある場合は、返信の内容によってクリニックの信頼性を高めることが可能です。積極的に返信しましょう。

返信の際には、まず感情的にならず、丁寧かつ冷静な言葉で対応することが重要です。誠実にお詫びをし、可能であれば、改善する意思があること伝えましょう。
たとえば、「このたびはご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ありません。当院では皆さまに安心してご利用いただけるよう、今後もスタッフ教育・院内体制の見直しを続けてまいります。」といった文面であれば、他の閲覧者にも良い印象を与えることができます。

注意点としては、個別の内容に踏み込まないこと。個人情報には最大限配慮する必要もあります。
できれば投稿前に、客観的な第三者に文章のチェックをしてもらうといいでしょう。

悪質な場合は削除申請も検討

明らかに虚偽で悪意ある投稿、誹謗中傷に該当する内容であれば、Googleやクチコミサイトの運営元に削除依頼を出すことが可能です。
ただし削除の可否は運営側の判断となるため、すぐに対応されるとは限りません。証拠となる画面をスクリーンショットで保存しておく、法的対応の可能性を見据えておくなど、慎重な準備が必要です。

日頃からポジティブなクチコミを積み重ねる

ネガティブな投稿一件が与える印象は大きいですが、それ以上に信頼を生むのは、日々のポジティブな体験の積み重ねです。
患者満足度の高い診療を意識するのはもちろんのこと、感謝の声をクチコミとして投稿してもらうようスタッフから案内するなど、日常的に良い評価を蓄積する工夫が、悪評の影響を最小限に抑えるカギとなります。

まとめ

どんなに誠実に診療を行っていても、ネガティブなクチコミを完全に避けることはできません。大切なのは、書かれてしまった悪評にとらわれず、それにどう向き合っていくか。ピンチをチャンスととらえ、誠実で冷静な対応を行うことで、「このクリニックは信頼できる」「きちんと改善しようとしている」と患者に伝わります。

クリニックの評価は、一時の書き込みではなく、長期的な信頼の積み重ねです。悪いクチコミさえ成長の糧として活かしていく姿勢があれば、患者からの信頼を得るための第一歩となるでしょう。

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