“成功する開業”に必要なスタッフの集め方

2015.02.17採用・労務管理

“成功する開業”に必要なスタッフの集め方

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新たに何か事業を始める時に必要になるのが、人・モノ・金です。その中でも今回は、人について考えてみましょう。

どんなスタッフが必要か

医療事務
医療事務スタッフは、必ず1人は必要です。可能であれば医療事務の有資格者や経験者が望ましいですが、パソコンの基本操作ができる人であれば、レセプトコンピュータ導入の際にメーカーからの指導がありますので、開業までに覚えることができれば大丈夫です。

医療事務スタッフの仕事には、日々の診療受付や会計などの他にも、月末に行われる「保険団体へのレセプト発行」があります。現在はこれを紙ではなく、電子媒体やメールで送付できるようになりました。お金に関する作業ですので、1つずつ正確に、責任を持って作業してくれる医療事務スタッフを選定しましょう。

看護師や優秀な技師
看護師を雇用する場合、2通りの考え方があります。「給与を低めに設定しても働いてくれるその科の未経験者を雇用する」、または「給与設定は多少高くなるがその科の経験者を雇用する」です。
前者の場合、疾患や治療、検査や処置、使用する医療器具等を一から教える必要がありますが、給与のランクは低め設定でも人は集まります。
後者の場合、経験者であることを考慮した給与設定で交渉します。経験者は前述のような教育は細かく行わなくても良いですし、逆に必要な医療器具の選定やその管理方法について、看護師の方からの助言が必要となることもあります。特に日帰り手術などはその科の手術経験者が、1人でもいるかどうかで、開業後の運営のスムーズさが全く変わってきます。看護師の選定は、医療事務スタッフよりも慎重に行いましょう。
科によっては、看護師がいなくても成り立つこともあります。手術は行わない、外来での処置が少ない、医師が自分で管理できる程度の医療器具しか使用しない場合は、優秀な医療事務や、その科の検査に精通する技師(例えば眼科であれば視能訓練士など)で優秀な人材が1人いれば良いこともあります。標榜科、診察や処置の内容、規模、対象とする患者層によっても変わるのです。

どうやって募集するか

まずは紹介料等が無料である「ハローワーク」。開業する地域のハローワークへ足を運ぶのが一番確実ですが、現在はインターネット経由で全国規模の募集をかけることもできます。「年齢制限ができない」「男女の区別なく募集」という縛りはありますが、無料ですのでまずはこの方法をおススメします。

次は求人広告の掲示です。例えば開業に向けての工事を行っている時でも「この場所にいつ何が開業するのか」を掲示し、そこにスタッフ募集の旨を明記しておきます。特に駅前など人が集まる場所であれば、広くたくさんの人の目に触れるので「人材募集していることを公にする」には効果的です。その際は、どの職種を募集しているのかを明記しておくと、不要な連絡が少しですが減ります。

次は新聞折り込み広告。これは募集するエリアが限定されますが、「開業予定」という宣伝効果も期待できますので、試してみる価値はあるでしょう。

最後に人材紹介会社を通じての募集。特に看護師の場合は、人材紹介サイトが飽和状態ではありますが、現在勤務中の看護師や、特に経験者を広く募集したい場合には有効です。間に入る人材紹介会社のコンサルタントに、どのような人材を求めているかを詳細に伝えると、それなりに合致した人を集めてくれるでしょう。但し、人材紹介会社を通じて採用する場合、採用の時点で紹介手数料等が発生します。相場としては年収の2~3割。ある程度絞り込んだ中からの採用に、お金をかけることになります。

看護師転職サイトの例
■マイナビ看護師(http://kango.mynavi.jp/
・“クリニック特集”もあるため、クリニックでの勤務希望看護師を集めやすい
・看護師向け情報サイトも運営しているので、登録看護師が多い
■ナース専科 求人ナビ(http://job.nurse-senka.jp/
・看護師向け月刊誌“ナース専科”の会社が運営している
・看護師向け情報サイトも運営しているので、登録看護師が多い
■ナースではたらこ(http://iryo-de-hatarako.net/
・TVでもCMが放送されているので、知名度は高め
・転職半年ボーナスがあるので、看護師を集めやすい

スタッフ選定のポイント

複数の応募者の中から、採用者を選定するポイントをまとめます。
・小さくても処置を行う、バイタル測定などが必要な場合は、看護師が1人は必要
・特に日帰り手術を行う場合、その科や手術の経験者である看護師が1人は必要
・生理検査や画像検査が中心なら、優秀な技師でも良い
・ある程度気が強く、周りのスタッフや医師(自分)へも意見できるような人物が1人でもいると比較的上手く回る
※ただし、その場合は経験者や、未経験でも吸収力がある人物を選定する
・女性同士の諍いは少なからずあると考えておく

それから、公にしてはいけませんが、オープニングスタッフに「乳幼児を抱える女性は1人まで」と考えましょう。夜勤がなければママさんナースの応募が増えますが、乳幼児がいれば急なお休みがつきもので、子どもの数だけリスクが高くなります。特に冬場は要注意。開業後、軌道にのればスタッフ間でのフォローも期待できますが、それまでは急なお休みは1 人まで、という暗黙のルールを決めておきましょう。

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