開業ガイド

2016.03.14資金計画

クリニックも個人事業主 賢い経営で税金対策!

クリニックを含む保険医療機関は、診療報酬が主な収入源です。しかし支出には様々なものがあります。その中でも必ず払わなくてはならないのが、税金。クリニックが黒字になるほど、出ていく税金も高くなります。税金は国民の義務ですが、可能な限り抑えたいですよね。

目次
節税対策は大きく2つ
自院に課せられる「税率」を低くする
経費を増やす方法
医師でもあり経営者でもある<

節税対策は大きく2つ

税金はやみくもに支払うわけではなく、そのクリニックの経営形態や経営状況によって決まっています。「税金」と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、基本を押さえておけば、それほど難しいものではありません。

課せられる税金を低くするためのポイントは大きく2つあります。

自院に課せられる「税率」を低くする
課税されない「経費」を多くする

では、それぞれについて詳しくみてみましょう。

自院に課せられる「税率」を低くする

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税制の大改正が行われ、平成27年度より、より「(医療)法人に優しい税制」となりました。医療機関の収入は基本的に社会保険診療報酬によるものです。医療機関の場合、これ以外の収入に対して、税金が課せられます。
例えば、クリニックの経営母体が「法人」である場合、診療報酬以外の収入がある場合、400万円を基準として税率が変わります。

400万以下:2.7%
400万以上:3.6%

しかし、これが個人経営の場合、税率は一律で5%です。つまり、法人化した方が、税率が低くなる、ということになります。
実際にはもっと多くの種類の税金が課税されますし、特に個人経営の場合は全体的な税率は所得額によって変わる部分もありますので、一概には言えません。しかし現在の日本では、個人で経営するよりも、法人化しておいた方が、税制面での優遇を受けることが多くなります

経費を増やす方法

事業に対する税金とはそもそも、収入から経費を差し引いた金額に課せられるものです。つまり、収入が同じなら、必要な支出を「経費」として計上すれば良いわけです。
「経費」といえば一般には、備品の購入、職員への給与、(賃貸物件なら)家賃などが代表的ですが、実はもっと多くのものが「経費」として計上できるのです。ほんの一例を挙げてみましょう。

【交際費】
・職員に対する慰労の意味を持つ飲食費(歓送迎会や忘年会など)
・情報収集のために同業者や先輩・恩師と行った食事会の飲食代
・職員への福利厚生費
・取引先や親交のある医療機関などへの香典
・お中元、お歳暮、手土産など

【福利厚生費】
・社会保険や労働保険などの保険に関わる費用
・職員の半数以上が参加する慰安旅行
・従業員の旅行代金の一部を負担した時の費用
・取引先や親交のある医療機関などへの香典
・一定以上の職員が参加したボウリング大会の費用

【旅費交通費】
・学会に参加するための交通費および宿泊費、食事代
・職員を連れた視察旅行を実施するための交通費および宿泊費、食事代

【備品費】
・クリニック内で使用するパソコンや電気製品など医療機器以外のもの
・自宅でも仕事をするために必要なパソコンや机など
・マーケティング目的で購入する雑誌や書籍

これらのものをもれなく経費として計上すれば、課税される利益が減ることになります。
さらに、

・青色申告をすれば特別控除がある
・国民年金基金に加入すれば、掛け金が全額所得控除になる
・家賃は1年分前払いすれば、支払った分が全額経費になる

こういったことでも、課税対象額を低くすることができます。

医師でもあり経営者でもある

クリニックを開業すると、自分自身の職業は「医師」ですが、同時に「経営者」にもなります。どれだけ「医師としてのウデ」が良くても、経営状態を安定させなければ、クリニックの経営は継続できません
医師の仕事とはかけ離れたこれらの知識も、クリニックを開業するにあたっては必須となります。とはいえ、「収入から経費を引くと税率はこれだから…」などという計算は、医師という職業の傍らでできるものではありません。こういった「経営状況に直結する計算」は、信頼できる税理士に依頼することが得策でしょう。

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