ドクターの声
信州大学医学部附属病院に勤務し、信州大学医学部耳鼻咽喉科助教授を経て市立甲府病院に転勤する。同病院では副院長として病院運営にも携わり、2017年春退職。同年6月に石山耳鼻咽喉科クリニックを開院。患者さんに寄り添った医療サービスの提供に力を入れている。
開業を本格的に考えだしたのは、「そろそろ定年だ」ということを意識しだした62歳頃からです。定年後も市立病院の非常勤医師として働ける可能性はありましたが、どんな業務内容になるかも分からず、私自身ももう少し働きたいなという気持ちから開業を考え始めました。
実は50歳頃にも開業を考えたことがあるのですが、その時は親兄弟の反対もあり、仕事も面白くやりがいもあったので特に開業には至りませんでした。定年後の生活を現実的に考えるようになって、妻の後押しもあり、開業することを具体的に考え出しました。
大学病院にいたときは、頭頸部がんなどの大手術が必要な、比較的重篤な患者を見ることが多かったです。これらの手術って、手術時間も外科に負けないほどの長時間の手術なんですよね。しかし、今ではほのぼのと、患者さんと会話しながら過ごしています。大学病院にいた頃と比較すれば会話中心の診療が多くなったと感じます。
また、開業してからの違いとしては、人を雇っているということですね。人を雇っているということはその人の生活もかかっているということですから、やはり責任を感じて働いています。
開業については、正直、わたしは右も左もわからない状態でした。何から初めていいのか、開業の手順についてもまったく分からず…。
妻が色々とパンフレットなどを取り寄せてくれて、そこでコンサルティングを受けることになりましたが、それまでは一切まったくわからない状況でした。開業に必要な書類提出などもあるのですが、タイムスケジュールなどにして整理してもらったので、忘れることもなくきちんと手続きができました。
あとは、やはり悩んだのは資金面です。実は当初、現在とは違う場所ですでに土地を所有していました。でも、そこから建物を建てて開業するのはかなりお金がかかるということがわかって…。医療機器の導入だけでも初期投資がかかりますから、借金や初期投資が大きいのは気が重かったんですよね。結局、賃貸で借りて開業しようかという結論に至りました。
私は病院の図面を渡せばそのまま作ってもらえるんだと思っていたんですが、実際はとても細かく設計士の方などとやり取りするんですね。設計自体も何度か調整したり、やり直したりして…。
例えば、検査の導線を最小限にしたり、プライバシーに配慮したベッドの配置にしたりするだとかは、後から変更した点です。ドアや壁紙の色などは、いろいろアドバイスをもらいながら選んでいます。
他にも、開業までをコンサルティングしてくださった一瀬さんのアドバイスも大変助かりました。
まだ病院勤務中の私は、全く開業に関しての知識はありませんでしたが、どんな開業をしたいかなどを具体的に一つ一つ丁寧にヒアリングしていただき、ここまでこぎつけることができたと思います。土地の選定や調査などを始めとするあらゆる場面で交渉をして、私が納得のいく形で進めることができました。
勤務しながらでも無理なく、段取り良く開業の準備ができたのも、一瀬社長が計画したタイムテーブルがあったからこそです。
そうですね、バリアフリーには特に配慮しました。障がいをお持ちの方や車椅子の方でも負担なく入れるように、履き替えが必要なく、土足でそのまま診察室に入れるようにと。
他にも、私のデスクの前にはモニターがあって、いつでも病院内の様子を把握することができますが、これも「より安全に」という思いから設置したものです。看護師さんだけでは目が行き届かないこともあるので。
第一に、患者さんに良くなってもらって喜ばれる、そんな医院づくりを考えるといいのではないでしょうか。
わたしが職員たちに言っていることなんですが、患者さんには、心も身体もよくなって帰ってもらいたいなと思っているんです。ただ治療だけするだけではなくて、身体はもちろん良くなるけど、「ここに来てよかったな」と思ってもらえる医院を作りたいというのが僕の考えですね。
石山耳鼻咽喉科クリニック
〒400-0813 山梨県甲府市向町267-1
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