ドクターの声
甲府市向町に「痛み」の症状に合わせて、診断・治療を進めるペインクリニックを開院された、今井 祐介院長に開院までの歩みをお聞きしました。
日本麻酔科学会麻酔科専門医。自らが生まれ育った場所でもある山梨で、2016年12月、「いまいペインクリニック 痛みの診療所」を開業。それまで東京や長野、静岡などの総合病院で勤務してきた経験や、自らさまざまな土地や病院へ出向いて学んだ経験を活かし、この地域の人の痛みを少しでも軽くできればと日々患者一人一人と向かい合っている。
40代前半くらいのとき、自分の置かれた立場を考えたときに、「これから何年くらい働けるんだろう」と、ふと考えたんですね。小学校から大学卒業までが約20年、大学卒業から勤務医として働いて約20年、そしてこれからの20年…。このままではいけない、と。
僕が今までやっていた病院勤めというのは、患者さんよりも「組織」の現場だったんです。もう少し患者さんと身近に接していきたいなって思ったのが、開業のきっかけだったと思います。
他にも、父が開業医ということもあって、その姿と勤務医を比較して、違うなと感じることも多かったのは事実ですね。
父は内科医です。地域密着の、直接患者さんと接する仕事です。父は開業医の立場から、僕に「勤めていたほうがいいぞ」と、アドバイスしてくれていたのですが、隣の芝は青く見える…じゃないですが、勤務医と開業医では患者さんに向き合う姿勢が違うと感じ、開業したいと思うようになりました。
やろうと決めたら早かったですね。とにかくすぐに開業したいことを職場に伝えて、辞める準備に取り掛かりました。
当時は知識もなかったですし、あまりに漠然としすぎていました。そこで当時勤めていた病院の出入り業者に色々相談したりしたのですが、当時のコンサルタントの方は腰が重かったというか…。遅々として開業準備が進まなかったんです。
そんな中、僕は自身のトレーニングも兼ねて別のクリニックをお手伝いしていました。そこで紹介してもらったのがアークメディカルさんで。おかげさまで開業までこぎつけることができたという感じです。
開業資金についてはもちろん悩んだりしました。もしコンサルティングを受けていなければ、今何をしていたか…。おそらく、この場所では開業できていなかっただろうと思います。
それ以外で悩んだことは、やはり予定通りに行かないってことでしょうか。時間はあったはずなのに、結局直前でバタバタすることが多くて…。でも、意外と人材配置とか機材の運用、導線などは、当初考えていたシステム通りに運営できているので、まだ落ち着いている方なのかなとも思います。
クリニックらしくないクリニックを目指しました。この中庭は、僕がリクエストして設計してもらいました。患者さんたちにも好評だし、周回路ができて、院内を色んな所から回れるのが便利ですね。
ただ本当は、この中庭は患者さんのためというよりはスタッフのために作った空間だったんです。医療者が満たされていないと、良い医療は提供できないと思っています。 だからスタッフのために癒やしの空間を作りたいなと思って。そのことで設計士さんには迷惑をかけました。
他にこだわったところで言えば、床のカーペットやライトの色でしょうか。落ち着ける場所づくりということで、暖色系のライトを選んでいます。
やっぱり患者さんとの関係は近くなった点です。口コミで患者さんが来てくれるようにもなって、それって一番重要だなと思います。やりがいですよね。以前の職場だったら、流石にこういうことはありませんでしたから。
人を大切にということでしょうか。患者さんはもちろんですが、スタッフは何より大切です。 あとは、できることをやるということですね。自分にしかできないことなんて、多くはありません。ただ、自分にできることをやらないのは怠慢だと思います。できることならなんでもやるというスタンスにしています。
いまいペインクリニック
〒400-0813 山梨県甲府市向町260-1
055-236-7222